実装で学ぶベクトル(問題演習)|高校数学の例題解説&基本演習 #4

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以前のシリーズで機械学習アルゴリズムであるニューラルネットワークやランダムフォレストに絡めて高校レベルの数学の様々なトピックについて取り扱いました。

関数や行列など様々なトピックを取り扱ったものの、いくつか取り扱えなかったものがあるので取り扱わなかったものを中心に再収録を行なっていきます。
#1と#2では数列と漸化式について取り扱いました。

数列と漸化式①(概要と例題解説)|高校数学の例題解説&基本演習 #1 - lib-arts’s diary

数列と漸化式②(問題演習)|高校数学の例題解説&基本演習 #2 - lib-arts’s diary
#3、#4ではPythonでのプログラミングを通してベクトルについて取り扱います。#3では概要と例題の解説を行いました。

#4では#3の内容を踏まえてベクトルの問題演習を行います。
以下目次になります。
1. ベクトルの加減とPythonでの実装の問題演習
2. 位置ベクトルと二点間の距離の問題演習
3. まとめ


1. ベクトルの加減とPythonでの実装の問題演習

下記のベクトルをPythonを用いて図式化せよ。(始点としては原点(0,0)を取るものとする)
Q.11 (2,1)
Q.12 (-2,3)
Q.13 (1,-1)+(-2,1)
Q.14 (1,-1)-(-2,1)
Q.15 (1,1)-2(-2,1)

A.11
下記コードで実装できる。

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt

plt.quiver(0,0,2,1,angles='xy',scale_units='xy',scale=1,color="green")

# グラフの表示
plt.xlim([-1,3])
plt.ylim([-1,2])
plt.grid()
plt.draw()
plt.show()

実行結果は下記のようになる。

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A.12
下記コードで実装できる。

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt

plt.quiver(0,0,-2,3,angles='xy',scale_units='xy',scale=1,color="green")

# グラフの表示
plt.xlim([-3,1])
plt.ylim([-1,4])
plt.grid()
plt.draw()
plt.show()

実行結果は下記のようになる。

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A.13
下記コードで実装できる。

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt

plt.quiver([0,1],[0,-1],[1,-2],[-1,1],angles='xy',scale_units='xy',scale=1,color="g")

# グラフの表示
plt.xlim([-2,2])
plt.ylim([-2,1])
plt.grid()
plt.draw()
plt.show()

実行結果は下記のようになる。

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A.14
下記コードで実装できる。

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt

plt.quiver([0,1],[0,-1],[1,2],[-1,-1],angles='xy',scale_units='xy',scale=1,color="g")

# グラフの表示
plt.xlim([-1,4])
plt.ylim([-3,1])
plt.grid()
plt.draw()
plt.show()

実行結果は下記のようになる。

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A.15
下記コードで実装できる。

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt

plt.quiver([0,1],[0,-1],[1,2*2],[-1,-1*2],angles='xy',scale_units='xy',scale=1,color="g")

# グラフの表示
plt.xlim([-1,6])
plt.ylim([-4,1])
plt.grid()
plt.draw()
plt.show()

実行結果は下記のようになる。

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解説.
とにかくベクトルの成分表示と図の対応付けについてイメージがつくまで慣れていただけたらと思います。また、コーディングするにあたっては、plt.xlimとplt.ylimによって目盛りを調整していることに注意いただけたらと思います。調整自体は本質的な話ではないのですが、ある程度見やすくすることで直感も働きやすくなるので簡単にご紹介だけ行った形になります。

 

2. 位置ベクトルと二点間の距離の問題演習

下記の二つの位置ベクトル(始点が原点の(0,0)であるベクトル)の終点におけるユークリッド距離を求めよ。
Q.16 (3,2)(2,1)
Q.17 (4,3)(0,1)
Q.18 (-2,2)(2,-1)
Q.19 (2,1)(-2,1)
Q.20 (-1,2)(5,-1)
※ 表記にあたっては二点間の距離をdとおくものとする。

A.16
d=\sqrt{(2-3)^2+(1-2)^2}=\sqrt{1+1}=\sqrt{2}

A.17
d=\sqrt{(0-4)^2+(1-3)^2}=\sqrt{16+4}=2\sqrt{5}

A.18
d=\sqrt{(2-(-2))^2+(-1-2)^2}=\sqrt{16+9}=5

A.19
d=\sqrt{(-2-2)^2+(1-1)^2}=\sqrt{16}=4

A.20
d=\sqrt{(5-(-1))^2+(-1-2)^2}=\sqrt{36+9}=3\sqrt{5}

解説.
今回は問題にユークリッド距離と明記したため、ユークリッド距離を求めました。


3. まとめ
#4ではベクトルに関しての簡単な演習を取り扱いました。
#5以降では集合と確率について取り扱っていきます。