マネジメント、マーケティング資産とマーケティング資源、マーケティング部門と他部門との関係、マーケティング倫理|『コトラーのマーケティング・コンセプト』読解メモ #12

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課題本として、「コトラーマーケティング・コンセプト」を設定したので読み進めていきます。

コトラーのマーケティング・コンセプト | 東洋経済STORE
#1ではまえがきと序文について、#2以降では3~4トピックずつ取り扱っています。

#11では国際マーケティング(International Marketing)、インターネットとEビジネス(Internet and E-Business)、リーダーシップ(Leadership)、ロイヤルティ(Loyalty)について取り扱いました。

#12ではマネジメント(Management)、マーケティング資産とマーケティング資源(Marketing Assets and Resources)、マーケティング部門と他部門との関係(Marketing Department Interfaces)、マーケティング倫理(Marketing Ethics)について取り扱います。
以下、目次になります。
1. マネジメント(Management)
2. マーケティング資産とマーケティング資源(Marketing Assets and Resources)
3. マーケティング部門と他部門との関係(Marketing Department Interfaces)
4. マーケティング倫理(Marketing Ethics)
5. 感想・まとめ


1. マネジメント_Management(簡単な要約)
マネジメントの役割はトレードオフを管理し、矛盾を巧みに処理することである。企業内の人々はそれぞれ異なる関心を抱いているが、各部門がそれぞれの業績のみを追求すると会社全体としては業績が傾いてしまうという問題がある。各部門が担っているのはそれぞれの部分の課題であって、全社的な課題ではない。リエンジニアリングという考え方がもたらした恩恵は、部門中心の見方を改め、コア・プロセスの管理に焦点をあてたことである。
マネジメントは一瞬たりとも警戒を緩めてはならず、ビジネスとはゴールのない競争である。「カイゼン」などで言語化されるように現在の業務効率を向上させるのも重要だが、それだけでは十分と言えない。内から外を捉える視点だけでなく外から内を眺める姿勢も重要である。


2. マーケティング資産とマーケティング資源_Marketing Assets and Resources(簡単な要約)
企業は自社の資産(物的資産、売掛け金、運転資本その他)が全てバランスシート上に記載されていると考えがちだが、企業の真の資産はバランスシートの項目から除外されている。企業の真の資産とは、ブランド、社員、流通パートナー、供給業者、知的ナレッジなどの価値のことで得ある。これだけでなく、自社のコア・コンピテンシー(中核的能力)も資産としてリストアップすることが必要である。
戦略とは本来市場での戦いに勝利するために、コンピテンシー、コア・プロセス、その他の資産をどのように組み合わせるかを示すものである。この時自社の資産や資源の検討から始めることで機会探求の可能性を狭めてはならない。まず自社の外部に目を向けて機会を見出し、その後必要な資源やコンピテンシーを備えているか、今後調達可能かといった検討に移るべきである。
こうすることで、有望な機会を見つけた際に必要な資源が不足しても、不足した資源はいつでも購入することができるし、アウトソーシングすることも可能である。


3. マーケティング部門と他部門との関係_Marketing Department Interfaces(簡単な要約)
どの部門も他の部門に対し、なんらかのイメージや固定観念を抱いている。大抵は悪いイメージで、各部門は利用可能な資源の奪い合いを展開しており、自分たちの方が他部門よりも資金を有効に使えると主張し合っている。こうしたことが部門間の強調を阻む。
課題は部門間の壁をいかにして突き崩し、異なる部門の活動を調和させ、いかにチームとして機能させるかということである。下記が2つの具体的な方法である。

1) 2つの部門を集めた会合を開き、相手の強みや弱みをどう見ているか、互いの関係をよりよくするにはどうすれば良いかを意見交換させる。
2) 職能単位ではなくプロセス単位で管理を行い、プロセス管理をするために部門横断チームを作る。


4. マーケティング倫理_Marketing Ethics(簡単な要約)
企業はしばしば立派な決断を下すか、顧客の信頼を裏切るかという選択を迫られる。異物混入や不良品によるリコールなどが例として挙げられる。商取引という活動はしばしば非難の的にされてきており、その時々の状況に応じた厳しい倫理上の問題との板挟みにあってきたからである。
世間から高く評価されている企業は、自分たちの利益のためではなく人々の利益のために奉仕するという行動規範を忠実にも持っている企業である。製品、サービス・レベル、企業による事前活動で名高い企業の場合は、名声と信頼感がさらなる利益を生み出している。


5. 感想・まとめ
#12ではマネジメント(Management)、マーケティング資産とマーケティング資源(Marketing Assets and Resources)、マーケティング部門と他部門との関係(Marketing Department Interfaces)、マーケティング倫理(Marketing Ethics)について取り扱いました。今回はそこまで印象に残るトピックはなかったものの、どれも参考になる内容でした。
#13ではマーケティングミックス以降を取り扱っていきます。