マーケティングミックス、マーケティング計画、マーケティングリサーチ、マーケティングの役割とスキル|『コトラーのマーケティング・コンセプト』読解メモ #13

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課題本として、「コトラーマーケティング・コンセプト」を設定したので読み進めていきます。

コトラーのマーケティング・コンセプト | 東洋経済STORE
#1ではまえがきと序文について、#2以降では3~4トピックずつ取り扱っています。

#12ではマネジメント(Management)、マーケティング資産とマーケティング資源(Marketing Assets and Resources)、マーケティング部門と他部門との関係(Marketing Department Interfaces)、マーケティング倫理(Marketing Ethics)について取り扱いました。

#13ではマーケティングミックス(Marketing Mix)、マーケティング計画(Marketing Plans)、マーケティングリサーチ(Marketing Research)、マーケティングの役割とスキル(Marketing Roles and Skills)について取り扱います。
以下、目次になります。
1. マーケティングミックス(Marketing Mix)
2. マーケティング計画(Marketing Plans)
3. マーケティングリサーチ(Marketing Research)
4. マーケティングの役割とスキル(Marketing Roles and Skills)
5. 感想・まとめ


1. マーケティングミックス_Marketing Mix(簡単な要約)
マーケティングミックスとは、管理者が売上に影響を与えるために使用できるツールの組み合わせのことである。伝統的に製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の4Pの形にまとめられている。
4Pという整理のしかたには当初から様々な疑問が投げかけられてきたが、4Pに対するより根本的な批判は、それが買い手の視点に立ったものではなく、売り手の見方を表現したものだということである。これに対してロバート・ラウターボーンは顧客価値(Customer Value; 製品に代わるもの)、顧客コスト(Customer Cost; 価格に代わるもの)、利便性(Convenience; 流通に代わるもの)、コミュニケーション(Communication; プロモーションに代わるもの)のことである。マーケターが標準顧客の4Cを塾考しておけば、4Pの設定もはるかに容易になる。
マーケティングツールは製品ライフサイクルの段階に応じて適切なものを使い分けることになる。例えば製品の導入期では広告とパブリシティが最も費用対効果が高く、製品が成熟期に入ると販売促進や人的販売の重要性が増してくる。製品が衰退期を迎えたら、販売促進を引き続き推し進める一方で、広告、パブリシティ、人的販売は縮小すべきである。
またプッシュ戦略とプル戦略を対象(消費者 or 企業)に合わせて検討していくことも重要である。


2. マーケティング計画_Marketing Plans(簡単な要約)
企業にはビジョンが必要で、ビジョンには戦略が、戦略には計画が、計画には実行が必要となる。マーケティング計画は詳細に準備する必要があり、より良いもの、より新しいもの、より速いもの、より安いものを投入できないのであれば市場に参入すべきではない。
マーケティング計画の立案は、状況分析、目的、戦略、戦術、予算、コントロールの6つのステップからなる。また、計画立案を容易にするため、あらゆる部門や製品グループで使用できる標準の計画フォーマットを用意すべきである。
実際に取り組むにあたって注意すべきなのが、成果を出すための活動よりも計画策定の方に時間を割きすぎないということである。戦略計画は実行に移されない限り絵に描いた餅である。実行すべきことを計画し、計画を実行する必要がある。


3. マーケティングリサーチ_Marketing Research(簡単な要約)
初期のマーケティングリサーチは顧客を理解することよりも、売上拡大のための技法を発見することの方に主眼をおいていた。店舗監査や出庫データなど製品動向の情報をもたらす手法の開発が注目されていた。時が経つうちに、マーケターは購買者を理解することの重要性を次第に理解するようになった。
以下、現在用いられている主なリサーチ手法を紹介する。

・店内観察
・家庭内観察
・その他の観察
・フォーカスグループ調査
・アンケートとサーベイ調査
・デプスインタビュー技法
マーケティング実験
ミステリーショッパー調査
データマイニング

マーケティングリサーチは効果的なマーケティング意思決定の第一歩であり、基盤であることを理解しておくと良い。


4. マーケティングの役割とスキル_Marketing Roles and Skills(簡単な要約)
大多数の企業がマーケティング部門の役割を、プレスリリースの作成や広告に従事するなどのマーケティングコミュニケーションの実践のみに限定してきた。製品が完成し、販売が必要になった段階ではじめてマーケティングの仕事が始まると考えがちである。
しかしながら、マーケティングが全社的な戦略に影響を与えられない限り、顧客への約束を果たすことはできない。むしろ全社的な戦略を推進し、顧客への約束を実行に移すことこそマーケティングの主な役割と考えるべきである。このことを実現するには戦術的マーケティングから総合的マーケティングへの転換が必要になる。
ここで顧客との関係における、マーケターの主要な役割を以下にまとめる。

・新たな機会を発見し、評価する
・顧客の知覚、選好、要求をマッピングする
・顧客の欲求や期待を製品設計者に伝える
・顧客からの注文が正しく処理され、納期が守られていることを確認する etc

マーケターがこうした役割を遂行するには、予測、計画立案、分析、創造、意思決定、動機付け、コミュニケーション、実践に関するスキルが必要である。こうしたスキルが統合されたものがいわゆるマーケティング能力である。マーケティング担当責任者を選ぶにあたって、企業が探し求めるのがまさにこのマーケティング能力を備えた人物である。


5. 感想・まとめ
#13ではマーケティングミックス(Marketing Mix)、マーケティング計画(Marketing Plans)、マーケティングリサーチ(Marketing Research)、マーケティングの役割とスキル(Marketing Roles and Skills)について取り扱いました。マーケティング計画の所の一連のプロセスが頭の整理になり、非常に良かったです。
#14では市場以降について取り扱います。