Ch.1 イシュードリブン(「解く」前に「見極める」)|『イシューからはじめよ』読書メモ #2

f:id:lib-arts:20190322212729p:plain

「イシューからはじめよ」について読書メモをまとめています。

イシューからはじめよ|書籍|英治出版
読むにいたった経緯などは#1にまとめましたのでこちらのご確認おお願いいたします。

 基本的には章単位でまとめていければと思います。
#1でははじめにと序章がどちらも導入(イントロダクション)についてまとめましたが、#2では第1章の「イシュードリブン」について取り扱えればと思います。
以下目次になります。
1. イシュードリブン(「解く」前に「見極める」)
1.1 イシューを見極める
1.2 仮説を立てる
1.3 よいイシューの3条件
1.4 イシュー特定のための情報収集
1.5 イシュー特定の5つのアプローチ
2. まとめ


1. イシュードリブン(「解く」前に「見極める」)
1.1 イシューを見極める
・本の内容の要約
問題はまず「解く」ものだと考えがちだが、一番最初にすべきは本当に解くべき問題すなわちイシューを「見極める」ことである。つまり、「何に答えを出す必要があるのか」という議論から始め、「そのためには何を明らかにする必要があるのか」という流れで分析を設計していくべきである。分析結果がたとえ当初の仮説と異なっていたとしても意味のあるアウトプットになる確率が高く、「先の検討に大きく影響を与えること」に答えが出ればビジネスでも研究でも大きな進歩になる。チームワークにおいては、必ず目的に立ち返れるようにしておき、生産性が下がってきたときはチーム全体でイシューの意識合わせを行い「そもそもこれは何に答えを出すプロジェクトだったか」を整理する必要がある。
上記の内容を実現していくにあたって、相談する相手を持つことが重要であり、ここにはある程度の経験と「見立てる力」が必要になる。こうした場合には何人かの頼りになる相談相手に確認するのが手っ取り早く、労連で知恵のある人、あるいはその課題領域に対して直接的な経験を持つ人の知見が生きる場面である。一般のビジネスパーソンや学生の場合も「この人は」という相手を見つけたら思い切って面会や相談を申し込むとよい。こうした「知恵袋的な相手」を持てるかどうかが突出した人とそうでない人の顕著な差を生む。

・読んでみての感想、考察
イシューがまだしっくりこないので一旦目的と言い換えて解釈していきます。おそらく目的という言葉をもう少し掘り下げたものをイシューと呼んでいるようなので、目的という形でぼんやり読み替えるのも悪くなさそうです。
目的や問題定義の重要性について述べられており、大枠自体は元々意識していたものでありましたが、チームワークにおける目的の立ち返りと、相談相手を持つというのがやるようにしているもののあまり優先順位は高くなかったので、この辺は意識レベルをもう少し上げるのがよいなと思いました。

 

1.2 仮説を立てる
・本の内容の要約
イシューの見極めにあたっては「スタンスをとる(仮説を立てる)」ことが肝要である。この時たとえ強引にでも前倒しで具体的な仮説を立てることが肝心であり、理由は下記の三つある。

・イシューに答えを出す
-> 具体的に仮説に落とさないと答えを出しうるレベルにならない

・必要な情報や分析すべきことがわかる
-> 仮説を立てることで自分の議論している内容が明確になり、初めて本当に必要な情報や分析がわかる

・分析結果の解釈が明確になる
-> 目的が曖昧だと分析結果の解釈ができなくなる

答えを出すべきイシューを仮説を含めて明確にすることで無駄な作業が大きく減り、生産性をあげることができる。
仮説を立てたら次はそれを言葉にするとよい。イメージだけでは伝わらない時があるので、言語化することで伝えやすくすることができる。言葉で表現するときのポイントとしては、「主語と動詞を入れる」、「WHYよりもWHEREやWHAT、HOWを使う」、「比較表現を入れる」が挙げられています。

・読んでみての感想、考察
目的の明確化や仮説立ては普段から行なっているとは思うのですが、改めて意識するきっかけになったので良かったです。
また、言語化はあまりやっていなかった気がするのでこちらについては意識したいなと思います。

 

1.3 よいイシューの3条件
・本の内容の要約
「よいイシュー」には以下の三つの共通項がある。

・本質的な選択肢である
-> よいイシューはその答えが得るとそこから先の検討方向性に大きく影響を与える

・深い仮説がある
-> 「常識を覆すような洞察」があったり、「新しい構造」で世の中を説明したりしているので検証できれば価値を生む。

・答えを出せる
-> 重要であっても答えを出せない問題も世の中にはあるので、答えを出せるものを選ぶ必要がある

・読んでみての感想、考察
この辺は目的から逆算を普段から行っているからか個人的な感想としてはそこまで新しい視点でもなかった気がしました。

 

1.4 イシュー特定のための情報収集
・本の内容の要約
考えるための「材料」をどのように仕入れるかについて考える。知見や見立てのないテーマにぶち当たれば問題解決のプロでも仮説を立てるための手がかりを集めるしかない。「考えるための材料をざっくりと得る」にあたって、時間をかけすぎずに大枠の情報を集め、対象の実態についての肌感覚を持つとよい。多くの場合ビジネスにおける仮説検証までのサイクルは10日程度なので、最初の仮説を出すために考える材料を集める時間は2~3日で終えたいところである。
また、イシューの見立てを持つにあたっての情報収集のコツとしては、「①一次情報に触れる」、「②基本情報をスキャンする(一次情報から得た感覚を持ちつつ世の中の常識・基本的なことをある程度の固まりとしてもれなくだぶりなく素早くスキャンする)、「③集めすぎない・知り過ぎない」の三つがある。

・読んでみての感想、考察
情報収集のコツの三点が基本内容ではあるものの、改めて言語化することで理解できて非常に参考になりました。
特に集めすぎない、知りすぎないは日本のビジネスシーンだと陥りやすい点である印象なので、プロジェクトの進行においては気をつけるべきだと思われました。

 

1.5 イシュー特定の5つのアプローチ
・本の内容の要約
イシュー特定にあたっての5つのアプローチは以下を参考にするとよい。

① 変数を削る
-> いくつかの要素を固定して考えるべき変数を削り、見極めのポイントを整理する

② 視覚化する
-> 問題の構造を視覚化・図示化し、答えを出すポイントを整理する

③ 最終形からたどる
-> 全ての課題が解決した時を想定し、現在見えている姿からギャップを整理する

④ 「So what?」を繰り返す
-> 「So what? = だから何?」という問いかけを繰り返し、仮説を深める

⑤ 極端な事例を考える
-> 極端な事例をいくつか考えることでカギとなるイシューを探る

・読んでみての感想、考察
個人的には④の「So What?」の視点が弱いのでこの辺は気をつけていきたいと思います。

 

2. まとめ
だいたい普段から考えている内容が多いのですが、時折意識付けが弱いポイントやうまく言語化できていなかった点などがいくつか見つかったのでそういう意味で非常に有意義だった印象です。
詳細は読んでいないところもありますが、この手のビジネス本は全体の流れからの逆算の方が良いので、一旦全体を通して読み切って必要に応じて戻ってくるで十分なのではと考えています。