「いろは歌」と「いろは順」|古典に学ぶ #1

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新年を迎えるにあたって2019年の投稿を振り返った所、技術系の話のような現代的な話題を取り扱うことが多かったので、本来の意味でのLiberal Artsに立ち返る意味も兼ねて、古典や歴史についても取り扱う機会を増やしていければと思います。当シリーズでは古典に学ぶということで日本の古典や漢文などについて取り扱っていければと思います。
#1では、「いろはにほへと」でよく知られている「いろは歌」と「いろは順」について取り扱っていきます。
以下目次になります。
1. 「いろは歌」について
2. 「いろは順」について
3. まとめ


1. 「いろは歌」について
概要について掴むにあたってWikipediaの内容を確認していきます。

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いろは歌 - Wikipedia

上記にいろは歌の概要が記載されています。仮名を重複させずに作られた47文字で、七五調の韻文であるとされています。韻文は通常の文章である散文とは対照的に、韻を踏んだ詩の形式であるとされています。子供の教育などの手習い(読み書きの練習)などにも用いられたため、意味が転じて「〇〇のいろは」という表現も生じているとされています。また、2節で取り扱ういろは順のように、文字の順番としても用いられているとされています。
国語の授業などで何かしら取り扱っているであろういろは歌ですが、改めて見直すと(1)仮名を重複せずに使い、(2)それを七五調で記載し、(3)歌そのものが意味をなす、という意味で驚くべき内容である思います。

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Wikipediaの概要の項目に、漢字付きで載っていますが、なんとなく意味が取れるという内容になっており、これが文字の重複なしで形成されているというのは最初は信じられないほどです。意味合いとしては、平家物語などに出てくる「諸行無常」のような内容になっています。


2. 「いろは順」について
1節ではいろは歌について取り扱いましたが、2節ではいろは順について確認します。

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いろは順 - Wikipedia
同様にWikipediaの内容について見ていきます。冒頭部の説明としては日本語におけるひらがなの並べ方の一つであるとされています。

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語順については上記のように、いろは歌に基づいて構成されているとされています。本来は末尾に「ん」を加えなかったとされていますが、現在では追加されているとされています。
現代ではほぼ五十音順に置き換わったとされていますが、かつては日本語における順番法として公用文などにも広く用いられたとされています。音階などにも適用されており、

イタリア語式の「Do Re Mi Fa Sol La Si」、英語式の「C D E F G A B」を日本では「ハニホヘトイロ」とした。このため、Cを主音とする長調「C major」のことを日本では「ハ長調」という。

Wikipediaの記述)

上記のように、ドレミファソラシドの代わりにイロハニホヘトを利用しており、C(Do)を主音とする長調であるC majorを日本語では「ハ長調」としているのはそういった理由であるとされています。

このように多くの日本語に関連する話において、いろは順は利用されており、日本の文化に非常に定着した表記方法であるということを読み取ることができます。


3. まとめ
#1では日本語の古典として今現代でも様々なところで利用されている「いろは唄」や「いろは順」について取り扱いました。普段何気なく使っている言葉や呼び名、概念なども由来を調べてみると深い内容が見つかったりするので非常に興味深いと思います。
#2では、1節で少しだけ触れた「諸行無常」に関連して、平家物語の冒頭文(祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり...)について取り扱えればと思います。