Ch.2 戦略・マーケティング②|基本フレームワーク50[グロービスMBAキーワード] #4

f:id:lib-arts:20190119231925p:plain
連載の経緯については過去記事に書いていますので今回からは省略します。

#3ではCh.2の戦略・マーケティングのうち、No.8のPEST分析からNo.11の3C分析までを取り扱いました。

#4では同じくCh.2のNo.12のSWOT分析からNo.15のビジネスモデルまでを取り扱えればと思います。
以下目次になります。

1. 2章まとめ②(戦略・マーケティング
1.1 SWOT分析(No.12)
1.2 バリューチェーン(No.13)
1.3 3つの基本戦略(No.14)
1.4 ビジネスモデル(No.15)
2. まとめ


1. 2章まとめ②(戦略・マーケティング
1.1 SWOT分析(No.12)

・本の内容の要約
No.12のSWOT分析は「自社の外部環境と内部環境を、好ましい側面と好ましくない側面から整理すること」とまとめられています。SWOTはそれぞれ、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字です。#1で取り扱ったマトリクス分析の話がここで出てきます。図式化したのが図表の12-1で、欧米より日本企業で近年では用いられることが多いそうです。
運用のコツ・留意点としては、「ある要素を弱みではなく強みとして、脅威ではなく機会として見なせないかと前向きに考えること」と、「ある程度の丁寧さが必要な一方で特に重要なものを選りわけるセンスと大胆さも必要」の二点が言及されています。

・読んでみての解釈
SWOT分析は抽象的かつ訂正的で個人的にはちょっと使いにくいかなという印象があります。議論を行う過程でなかなか認識の統一ができないのでなかなか難しいです。強みや弱みに関しての分析は社内の人間関係や部署間の力関係が働くところなのでその辺にも配慮が必要なケースもあると思います。
また、分析を元にアクションの立案については個人差があるのでこちらについても色々と考慮した方が良いかもしれません。
とはいえ、No.13のバリューチェーンなどを使えれば少しはもやっとしたのがなくなるのかなとも思うので、定量的な評価の手段をいくつか持つことでSWOTの用途も広がるのではと思いました。


1.2 バリューチェーン(No.13)

・本の内容の要約
No.13のバリューチェーンは「マイケルポーター教授によって提唱された、事業活動を機能ごとに分類し、どの部分(機能)で付加価値が生み出されているかを分析するフレームワーク」とされています。図表13-1でもまとめられているのですが、オリジナルの分析だと製造業などを中心に分析した企業の活動を「モノの流れ」に着目し5つの主活動と4つの支援活動に分けそれにマージン(利益)を加えて全体の付加価値構造を表現しています。
ちなみに主活動は「購買物流」、「製造」、「出荷物流」、「販売・マーケティング」、「サービス」の5つで、支援活動は「全般管理(インフラストラクチャー)」、「人事・労務管理」、「技術開発」、「調達活動」の4つとなっています。これは製造業を中心にした分析なので業界の活動を主活動に基づいて4~6つに分解するのが一般的のようです。
また、使用にあたってはバリューチェーンのそれぞれのフェーズのコストを計算することでコストの分析をするなどで、定量的な分析も可能です。
運用にあたってのコツ・留意点としては「定量的な分析は自社の強みの分析にも繋がること」と、「サプライチェーンの中で顧客の価値にならないプレイヤーを排除を行うことでバリューチェーンの再構築を行われること」を意識すると良さそうです。

・読んでみての解釈
バリューチェーンは把握していなかったのですが、SWOTの際に用いる手段の一つとしても捉えられるのかなと思いました。数字を元にした定量的な分析なので解釈の違いが出にくいところでこの辺は分析結果のまとめ方としても色々と使えそうだなという気がしました。活動の分解というのもなかなか面白い印象で、組織マネジメントの観点から見ていくと面白そうです。


1.3 3つの基本戦略(No.14)

・本の内容の要約
No.14の3つの基本戦略は「個別の企業や事業の置かれた状況によって望ましい戦略の方向性は異なるところに対し、ポーター教授がコスト・リーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略の3つに一般化した」とまとめられています。
それぞれは図表の14-1でまとまっています。それぞれ
、コスト戦略は「同じ商品を提供するのなら一番安く提供できる方が勝つ」という考え方で、差別化戦略は「多少価格は高くてもそれ以上に価値があるものを提供できれば勝てる」という考え方で、集中戦略は「限定的な地域や顧客に対応することで局所的ナンバーワンを実現しよう」という考え方で俗にニッチ戦略と呼ばれています。
利用にあたってのコツや留意点としては、「差別化戦略が最もアクションを考えるのが難しい」ということと、「リーダーシップ戦略と差別化戦略を両立するのは難しい」ということの二点について言及されています。

・読んでみての解釈
No.14の3つの戦略は市場シェアと関連付けて捉えるとよく、ランチェスター戦略などの話と関連づけて理解していくと良いと思います。市場の定義とシェアの算出は戦略を考える上で非常に面白いポイントなのではと思います。


1.4 ビジネスモデル(No.15)

・本の内容の要約
No.15のビジネスモデルは「『誰にどのように提供するか』ということに『儲ける方法論』を加味したビジネスの仕組みえ、インターネットが登場してから用いられ始めたためITの活用を含意することが多い」とまとめられています。顧客価値提案(CVP、顧客に対する価値)、経営資源・業務プロセス(自社)、利益方程式(どうやって利益を出すか)の三点の組み合わせでビジネスモデルを考えると良いようです。
利用にあたってのコツや留意点としては、「近年のITベンチャーではビジネスモデルを早く固めすぎない方が良いのでは」ということと、「大企業は既存との兼ね合いが難しいのでまず顧客に対する提供価値を構想しそこから逆算するとよいのでは」ということについてまとまっています。

・読んでみての解釈
立ち上げのプロジェクトだとCVPを如何に作るかを重視するのが良いのではと個人的には考えています。CVPさえ作ってしまえばそこを起点に何かしらのマネタイズは可能なのではと考えています。
この辺の発想を柔軟にして色々と考えていければ面白いのではと思います。


2. まとめ

No.14やNo.15の話が個人的には面白いなと感じました。No.14は何年か前に知ってからは考えのベースにして結構使っていたのではと思います。ニッチ戦略が凄い好きで市場の定義とNo.1をどう取るかさらにはどう展開していくかの過程が非常にクリエイティブだなと思います。
No.15はCVPと利益方程式については無意識で行なっていましたが、改めて言葉で整理してなるほどなと感じました。感覚的にはわかるけど人には説明しづらいという感じだったのですが、言語化できたことで今後は色々と使えるなと感じています。

組み合わせが膨大になればなるほど戦略的な話は楽しいので、この手の話は結構向いているのかもしれません。