Ch.1_マネジャーの職務(前編)|『H.ミンツバーグ経営論』読解メモ #1

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課題本として、「H.ミンツバーグ経営論」を設定したので読み進めていきます。

H.ミンツバーグ経営論 | 書籍 | ダイヤモンド社

#1では第1章のマネジャーの職務(その神話と事実の隔たり)から、前半半分についてまとめられればと思います。
以下、目次になります。
1. マネジメントを縛ってきた四つの言葉
2. マネジメント業務についての神話と現実
3. マネジャーの仕事の基本とは何か
4. 対人関係における役割
5. 感想・まとめ

 

1. マネジメントを縛ってきた四つの言葉(簡単な要約)
マネジャーにあなたは何をしているかと尋ねれば、ほとんどが「計画し、組織し、調整し、統制する」と答えると思われる。とは言え、実際に現実に彼らがしていることを考えたときに、実際の行動とこの四つの項目を結びつけられなかったとしても、それは決して驚くべきことではない。
経営学はこれまで、進歩と変化に向けて邁進しすぎたがゆえに、半世紀以上の間、マネジャーは何をしているのかといった、まさに根本的な問いかけをしてこなかった。
本書の意図は簡単であり、読者をファヨールの四つの単語から引き離し、もっと根拠のある、そしてもっと役に立つマネジャーの仕事の説明に案内することである。この説明の基となったのは、多種多様なマネジャーたちがどのように自分の時間を使うかについての研究を検討し、まとめたものである。
こうして発見された事実を総合すると興味深い話が出てくるが、これはファヨールの古典的見解とはかけ離れている。ある意味では、この違いはデスクの前であろうと後ろであろうと、マネジャーのオフィスで位置にち過ごした経験のある者の目には明らかなことであるが、同時にこの事実はマネジャーの仕事について我々が受け入れてきた話の大半を疑問に付すことになる。

 

2. マネジメント業務についての神話と現実(簡単な要約)
マネジャーの仕事についての四つの神話は事実を注意深く調べていくと根拠が存在しないことがわかる。それぞれの神話と現実に関して下記にまとめる。

神話1: マネジャーは内省的で論理的な思考をする、システマティックなプランナーである。
現実1: どの研究をとってみても、マネジャーはたゆみないペースで仕事をし、その行動は簡略、多様、不連続を特徴としており、さらに行動に出ようとする強い志向を持っていて、内省的な活動を好まない。

神話2: 有能なマネジャーは、遂行すべき決まった職分を持たない。
現実2: 例外的な事項を処理するほかに、マネジャーの仕事には儀式や式典、交渉、それに組織を周りの環境に結びつけるソフトな情報の処理など、数多くの決まった職分の遂行が含まれている。

神話3: シニア・マネジャーが求める者は集計的な情報であり、それを提供するのに最適な手段は公式のMISである。
現実3: マネジャーは口頭のメディア、すなわち電話と会議を重視している。

神話4: マネジメントは科学であり、専門的職業である。現在はそう出ないとしても、少なくとも急速にそうなりつつある。
現実4: マネジャーのプログラム(時間の配分や情報の処理、意思決定など)は、マネジャーの頭脳の奥深くにしまい込まれている。 


3. マネジャーの仕事の基本とは何か(簡単な要約)
マネジャーは「組織、あるいはそのサブユニットの責任者である」という定義は、CEOのみならず、バイス・プレジデント、宗教の指導者、職長、ホッケーの監督、総理大臣にも当てはまる。このような人々はみな共通するものを持っており、それはある組織単位に対するフォーマルな権限である。その権限から様々な対人関係が生まれ、この対人関係によって情報にアクセスすることが可能になる。逆に情報によってマネジャーは自分の組織のために意志決定し、戦略を策定することが可能になる。

 

4. 対人関係における役割(簡単な要約)
マネジャーの役割のうち三つはフォーマルな権限から直接的に派生し、基本的な対人関係を構築する。下記に三つの役割をまとめる。

1) 看板的役割
-> ある組織単位の長としての地位にあるため、どのマネジャーも各種の儀式にまつわる義務を果たさなければならない。対人関係の役割に関わる仕事はルーチンであることもあり、その場合、重大なコミュニケーションや重要な意思決定は必要ない。にも関わらず、これらは組織が円滑に機能するためには不可欠であり、マネジャーが無視してはならないものである。

2) リーダー的役割
-> マネジャーは組織に属する人々の仕事に対して責任を負う。この点に関連したマネジャーの行動が「リーダー」的役割を構成する。

3) リエゾン的役割
-> リエゾン的な役割においては、マネジャーは垂直的命令系統の外側で接触を持とうとする。マネジャーの仕事に関する研究のどれを取っても、マネジャーはその部下との接触に使うのと同時に自分の担当組織が胃にいる同僚、その他の人々との接触に時間を咲いている。 


5. 感想・まとめ
#1では第1章のマネジャーの仕事からマネジメントを縛ってきた四つの言葉、マネジメント業務についての神話と現実、マネジャーの仕事の基本とは何か、対人関係における役割について取り扱いました。マネジメントがテーマであるので、ドラッカーのマネジメントの内容を思い出しながら読み進めていくと良さそうでした。
#2では第1章の後半ということで、情報に関わる役割以降について取り扱います。