概要の把握と表記の確認|ベクトル解析を確認する #1
ベクトル解析(vector calculus)は応用的な視点から数学を用いる際によく出てくるトピックです。が、カリキュラムによって取り扱うタイミングが異なるようなので、基本的なトピックをまとめることとしました。
#1では簡単に概要の把握について行います。下記を主に参考にします。
以下が目次となります。
1. ベクトル解析の概要
2. 、、について
3. まとめ
1. ベクトル解析の概要
1節ではベクトル解析の概要について確認します。
主に上記を参考にしますが、「ベクトル解析」は主に多変数関数の微積分を取り扱う分野であると把握しておけば一旦十分だと思います。
具体的にも確認できればということで、あるスカラー関数を、、方向にそれぞれ微分を行うと考えます。
この微分は上記のように表せます。2節でも取り扱いますが、これはの勾配と呼ばれ、とも表されます。ここではスカラー関数のに関する偏微分です。
直感的なイメージがつかめるように具体的な関数についても確認します。を考えた際には下記のように計算できます。
これを元に関数を考えると、と同様に考えてを最下点とする下に凸な平面を構成していることがなんとなく想像できるかと思います。
大体のベクトル解析の概要と具体例について確認できたので1節はここまでとします。
2. 、、について
2節では1節で出てきたに関連して、同様に使われる表記であるやなどについて取り扱います。ここではスカラー関数をのように表すとします。
まず1節で取り扱った勾配のについては下記のように表します。
上記がで、基本的には1節で取り扱った内容と同様ですが、ここでという記号を導入したところは1節とは異なる点です。はを表す演算子であると抑えておけば十分だと思います。
次にについて取り扱います。はベクトルに作用する演算で、下記のように定義されます。
上記の演算は発散(divergence)の計算を意味しており、「ある点から流れ出す 粒子や場の束の和」を表しています。詳しくは下記などを参照いただけたらと思います。
についても取り扱います。はと同様にベクトルに作用する演算で、下記のように定義されます。
についてはここでは演算の定義の確認にとどめるので、詳しくは下記などを参照いただけたらと思います。
3. まとめ
#1ではベクトルの微分について概要の把握と表記の確認を行いました。
#2では2次形式の微分について取り扱います。