プロパガンダとメディア|政治とプロパガンダ #2

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「政治とプロパガンダ」について取り扱うシリーズです。#1ではプロパガンダの概要や主な手法についてざっくりと確認しました。

#2ではプロパガンダとメディアについて取り扱います。基本的にはWikipediaの記載を参考に、シンプルにまとめられたらと思います(プロパガンダ - Wikipedia)。
以下、当記事の目次になります。
1. テレビ・ラジオ・新聞報道を用いたプロパガンダ
2. 映画・芸術を用いたプロパガンダ
3. 集会・イベントやインターネットを用いたプロパガンダ
4. 建国神話・英雄譚・伝説・学説の利用
5. まとめ


1. テレビ・ラジオ・新聞報道を用いたプロパガンダ
1節ではテレビ・ラジオ・新聞報道を用いたプロパガンダについて取り扱います。基本的には「マスメディアをどのようにプロパガンダに用いるか」の視点で考えておくと良さそうです。
テレビとラジオはデバイス的な意味でのメディアの進化のタイミングと世界史を関連付けるとわかりやすく、ラジオは第二次世界大戦頃のナチスドイツや大日本帝国、テレビは冷戦時のソ連で行われたプロパガンダが有名な例と考えておくのが良いと思います。

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上記のように特にナチスドイツではラジオの市場価格を下げてでもラジオの普及を推奨したなどからも、いかにメディアを活用するかが重視されていることがわかります。ナチスドイツのプロパガンダやそれを主導した宣伝大臣のゲッペルスはこの辺りの世界史を考察する上で重要です。また、大日本帝国では国営の放送局しかなく、それが政府の宣伝機関として機能していたということは抑えておくと良さそうです。

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上記はソ連のテレビを用いたプロパガンダですが、ラジオと異なるのは映像が主となるということです。このことにより、プロパガンダが逆効果になったソ連の例などもあります。

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新聞報道や出版社に関しては、言論統制により新聞や書籍でもプロパガンダ的手法がとられる場合がある」とされています。ここでよくありがちな主張に、「中立性を保つべきだ」というのがありますが、アメリカでは逆に新聞社の立場が「保守」と「リベラル」に分かれることが許容されるかつ当然視されていることがなかなか興味深いです。というのも、株主や広告主などの資金源や新聞社の思想背景、記者の個人的信条などが原因で「完全な中立」は難しいためです。そのため、ある程度報道や出版にあたっては立場を明示する方が逆に受け取り側が中立性を判断しやすくなるかと思われます。

1節では主にマスメディアに関連するテレビ・ラジオ・新聞報道を用いたプロパガンダについて取り扱いました。続く2節では映画・芸術を用いたプロパガンダについて取り扱います。


2. 映画・芸術を用いたプロパガンダ
2節では映画・芸術を用いたプロパガンダについて取り扱います。

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映画を用いたプロパガンダは国家や軍、政治団体やその支援者などが映画を直接製作したり積極的に協力したりすることで行われます。世界史的にはレーニン共産主義プロパガンダ映画などが有名と抑えておくのが良さそうです。

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プロパガンダに芸術を用いる手法については、大日本帝国ナチス政権下のドイツが例として挙げられています。第二次世界大戦中の大日本帝国では、芸術家を国家の統制管理下におき、反体制主義の芸術家を投獄することで表現を国家統制に用いたとされています。

2節では映画・芸術を用いたプロパガンダについて取り扱いました。事実上の独裁政権の統制強化のために芸術的表現を利用するというのが主な流れのようでした。


3. 集会・イベントやインターネットを用いたプロパガンダ
3節では集会・イベントやインターネットを用いたプロパガンダについて取り扱います。

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集会・イベントを用いたプロパガンダでは「会場の規模」や「装飾」などの豪華さ・贅沢さを見せつけ権威性を演出したり、貧弱のものを見せつけることで大衆の味方であるように装ったりされます。この辺りのメディアの演出は現代でも少なからず行われていると思われるため、一定程度注意が必要だと思われます。

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また、上記がインターネットを用いたプロパガンダの具体例です。立場を偽り、中立を装って、多数派に見せかける工作を行うのが基本的な手法だと抑えておくのが良さそうです。また、都合の良くない発信は削除させるように圧力をかけるというのもプロパガンダの手法として用いられるようです。


4. 建国神話・英雄譚・伝説・学説の利用
4節では「建国神話・英雄譚・伝説・学説の利用」について取り扱います。

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上記では「建国神話は国家の正当性を表すため、重要な位置を占める」とされています。日本では、古事記日本書紀、神風などが大日本帝国時に用いられたとされています。またここで革命により成立した人口国家のアメリカ合衆国ソビエト連邦中華人民共和国中華民国では神話を持たないとされているのもなかなか興味深いです。


5. まとめ
#2ではプロパガンダとメディアについて取り扱いました。20世紀はマスメディア中心だったプロパガンダが近年ではインターネットの普及などにより個々に向けた発信が多くなってきたことには注意が必要だと思われました。
#3では憲法改正プロパガンダについて取り扱います。