集合論と確率(問題演習)|高校数学の例題解説&基本演習 #6

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以前のシリーズで機械学習アルゴリズムであるニューラルネットワークやランダムフォレストに絡めて高校レベルの数学の様々なトピックについて取り扱いました。

関数や行列など様々なトピックを取り扱ったものの、いくつか取り扱えなかったものがあるので取り扱わなかったものを中心に再収録を行なっていきます。
#1と#2では数列と漸化式について、#3、#4ではベクトルについて取り扱いました。

数列と漸化式①(概要と例題解説)|高校数学の例題解説&基本演習 #1 - lib-arts’s diary

数列と漸化式②(問題演習)|高校数学の例題解説&基本演習 #2 - lib-arts’s diary

実装で学ぶベクトル(概要と例題解説)|高校数学の例題解説&基本演習 #3 - lib-arts’s diary

実装で学ぶベクトル(問題演習)|高校数学の例題解説&基本演習 #4 - lib-arts’s diary

#5では集合論と確率の概要と例題の解説を行いました。

集合論と確率(概要と例題解説)|高校数学の例題解説&基本演習 #5 - lib-arts’s diary

#6では#5で解説した内容を元に問題演習を行っていきます。
以下目次になります。
1. 集合の問題演習
2. 確率の問題演習
3. まとめ

 

1. 集合の問題演習

・Q.21 集合A=\{1,2,3,4\}、集合B=\{3,4,5,6,7\}が与えられたとき、和集合と積集合をそれぞれ求めよ。
・Q.22 集合A=\{1,4,9,16,25\}、集合B=\{4,8,12,16,20\}が与えられたとき、和集合と積集合をそれぞれ求めよ。
・Q.23 1〜20の自然数において、4の倍数と5の倍数の和集合と積集合をそれぞれ求めよ。
・Q.24 自然数と整数の和集合と積集合をそれぞれ求めよ。
・Q.25 有理数無理数の和集合と積集合をそれぞれ求めよ。

A.21
和集合:A\cup{B}=\{1,2,3,4,5,6,7\}
積集合:A\cap{B}=\{3,4\}

A.22
和集合:A\cup{B}=\{1,4,8,9,12,16,20,25\}
積集合:A\cap{B}=\{4,16\}

A.23
和集合:A\cup{B}=\{4,5,8,10,12,15,16,20\}
積集合:A\cap{B}=\{20\}

A.24
和集合:A\cup{B}=整数の集合
積集合:A\cap{B}=自然数の集合

A.25
和集合:P(A\cup{B})=実数の集合
積集合:P(A\cap{B})=空集合

解説.
A.21〜A.23については#5で取り扱った例題の類題となっています。また、A.24とA.25についてはそれぞれ数の集合について取り扱っています。自然数は整数に含まれるため、和集合を考える際は整数の集合になるし、積集合を考える際は自然数の集合になります。また、有理数無理数については和集合は実数となり、積集合はそれぞれの共通要素はないため空集合となります。

 

2. 確率の問題演習

Q.21〜Q.23で取り扱った集合においてP(A)P(B)P(A\cup{B})P(A\cap{B})をそれぞれ求めよ。ただし、全事象は別途Uとして与えるものとする。
・Q.26 事象A=\{1,2,3,4\}、事象B=\{3,4,5,6,7\}、全事象U=\{1,2,3,4,5,6,7\}
・Q.27 事象A=\{1,4,9,16,25\}、事象B=\{4,8,12,16,20\}、全事象U=\{1,2,3,4,5,6,7,...,21,22,23,24,25\}
・Q.28 1〜20の自然数において、4の倍数(事象A)と5の倍数(事象B)、U=\{1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20\}
下記の確率を求めよ。
・Q.29 サイコロを2個振った時に和が7となる確率を求めよ。
・Q.30 サイコロを2個振った時にどちらも偶数になる確率を求めよ。

A.26
P(A)=\frac{4}{7}
P(B)=\frac{5}{7}
P(A\cup{B})=1
P(A\cap{B})=\frac{2}{7}

A.27
P(A)=\frac{1}{5}
P(B)=\frac{1}{5}
P(A\cup{B})=\frac{8}{25}
P(A\cap{B})=\frac{2}{25}

A.28
P(A)=\frac{1}{4}
P(B)=\frac{1}{5}
P(A\cup{B})=\frac{2}{5}
P(A\cap{B})=\frac{1}{20}

A.29
和が7となる場合は(1,6)、(2,5)、(3,4)、(4,3)、(5,2)、(6,1)の6通り。
目の出方は全部で36通りのため、確率は\frac{6}{36}=\frac{1}{6}となる。

A.30
サイコロの目が偶数となる確率はどちらのサイコロも\frac{1}{2}
サイコロの目はそれぞれ独立に出るため、どちらも偶数になる確率は\frac{1}{2}×\frac{1}{2}=\frac{1}{4}

解説.
Q.26〜Q.28は#5で取り扱った例題⑥と同様の考え方で解くことができます。また、Q.29とQ.30に自然数や整数、有理数などの集合を用いなかったのは無限集合を確率で扱うのは高校レベルでは行わないためです。そのため、サイコロを題材に和として確率を求める場合と積として確率を求める場合の二つを取り扱いました。


3. まとめ
#5、#6では集合と確率について取り扱いました。
#6まででこれまでのシリーズで取り扱えていなかった大体のトピックについて取り扱えたので、当シリーズはここまでとします。