ロジカルシンキングまとめ②|ロジカルシンキングを学ぶ #5

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連載の経緯は#1に記しました。

「詭弁」と「論理学」|ロジカルシンキングを学ぶ #1 - Liberal Art’s diary
演繹的な論理学から入ると導入としては抽象的で難しいものになりそうなため、#1〜#3では「詭弁」と「論理学」ということで、ロジカルシンキングがうまくいっていない例を見つつ、それを論理学的に整理や考察を行いました。

「詭弁」と「論理学」|ロジカルシンキングを学ぶ #1 - Liberal Art’s diary

「詭弁」と「論理学」②|ロジカルシンキングを学ぶ #2 - Liberal Art’s diary

「詭弁」と「論理学」③|ロジカルシンキングを学ぶ #3 - Liberal Art’s diary

#4からは下記を参考にロジカルシンキングについてまとめていきます。

ロジカルシンキング - Wikipedia

#4では上記のページの途中までを取り扱いました。

ロジカルシンキングまとめ①|ロジカルシンキングを学ぶ #4 - Liberal Art’s diary

#5は引き続き、Wikipediaの内容を確認していきます。
以下目次になります。
1. 三角ロジックとトゥールミン・モデルについて
2. 発達心理学の記述に現れる論理思考について
3. 日本語と日本人の特殊性との関連について
4. 英文・日本文の作文指導との関連について
5. まとめ


1. 三角ロジックとトゥールミン・モデルについて
1節では「三角ロジックとトゥールミン・モデル」について確認します。

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上記では三角ロジックの解説として、「トゥールミンモデルに基づき、正三角形の各頂点に主張、客観的事実、論拠が配置され、これらの三要素が揃っていることをもって論理的であるとする考え方」とされています。

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トゥールミンモデルの略形については上記とされており、三角モデルがこれに主に基づくとされています。

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上記によるとトゥールミン(Toulmin)モデルは元々法律的な議論を行うモデルとして考案されたものである一方で、用語の揺らぎはあるものの分野を問わず広く用いられているとされています。この際に結論(conclusion)か主張(claim)か、データ(data)か事実(fact)か、といった用語選択は分野によって様々とされています。

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また、上記では三角ロジックの応用についてまとめられています。具体的には、戦略コンサルティングの文脈における「So what / Why so?」や、演繹法ワラント->データ->クレーム)と帰納法(データ->ワラント->クレーム)などが紹介されています。

2. 発達心理学の記述に現れる論理思考について

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発達心理学における論理思考については、「人間の成長過程における言語の観察において『論理的思考』の能力を獲得する段階が位置付けられている』とされています。


3. 日本語と日本人の特殊性との関連について

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上記では、日本語の曖昧さと「日本語は論理的な言語ではない」や「日本人は論理的思考が苦手である」という古くからの主張について取り扱われています。これらに関しては英語やフランス語をはじめとする欧米の言語に堪能な明治時代の日本の知識人によって主張され、志賀直哉などが日本語不要論を展開したりしたともされています。
近年では反論も出されているようです。日本人は他の国に比べ議論が下手だという印象はかなり受けますが、こちらの原因が言語によるのか文化によるのかは確かに調査や考察を慎重に行った方が良いなという印象です。


4. 英文・日本文の作文指導との関連について

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作文指導としてはアメリカでは20世紀初頭に『The Elements of Style』によって、より簡潔な英文についての指針が提示された以降、意図を的確に伝えることができる英文を書く能力が重視されるようになったとされています。また、文章の段落構成や段落の文の記述、文のつながりなどが作文の授業で教えられており、こうした文章の構成規則に従った文章のことを『論理的』と表現されるとなっています。
個人的な経験として、小中学校における作文の課題に良い印象はなかったのですが、理由としては『自由に書きましょう』と言われたのが非常にあるなと思います。後から振り返るに、『自由に書く』というのはかなり無理があるなと思います。もう少し文章構成の訓練を積ませるべきではないでしょうか。守破離とも言いますが、型を身につけなければ自由な発想はむしろ難しいのではないかと思います。


5. まとめ
#5では#4に引き続き、Wikipediaロジカルシンキングの項目について確認しました。
#6からは論理学について確認していこうと思います。