「自由権」と「公共の福祉」|法と国家を考える #3

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当シリーズでは「法」と「国家」を考えるというテーマで色々と議論をしていきます。#1では連載の経緯に加え、最初に簡単に注意事項についてまとめた上で、「法」や「国家」の言葉の意味の整理を行いました。

引き続き、#2では「法の精神」と「三権分立」について取り扱いました。

#3では日本国憲法第12条の「自由権」とそれに付随する「公共の福祉」について取り扱います。
以下目次になります。
1. 日本国憲法の概要
2. 第12条「自由権」について
3. 自由の制約としての「公共の福祉」について
4. まとめ


1. 日本国憲法の概要
1節では「日本国憲法」の概要について簡単に抑えます。

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日本国憲法 - Wikipedia

上記はWikipediaの概要の記述ですが、こちらによると日本国憲法は「現在の日本の国家形態および統治の組織、作用を規定する憲法」で、1946年の11月3日(文化の日)に交付され1947年の5月3日(憲法記念日)に施行されたとなっています。

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日本国憲法の概要としては、他の多くの国の憲法と同様に硬性憲法(改正が難しい憲法)であり、人権規定と統治規定を含むとされています。また具体的な内容としては、象徴天皇制、間接民主制、権力分立制、地方自治制度、国務大臣文民規定が盛り込まれているとされています。

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上記では日本国憲法の三大原理として基本的人権の尊重、国民主義(民主主義)、平和主義の三つの基本原理があると紹介しています。こちらについては教科書で見かけた記憶があったのでご紹介しておきました。

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次に上記が日本国憲法の全体の構成になっているとされています。前回取り扱った三権分立については第4章〜第6章に記載されています。また、今回取り扱う「自由権」については第3章の国民の権利及び義務で取り扱われています。

日本国憲法についての大枠の概要について取り扱うことができたので、1節はここまでとします。


2. 第12条「自由権」について
2節では日本国憲法第12条の「自由権」について取り扱います。

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日本国憲法第12条 - Wikipedia

上記によると、日本国憲法の第12条は「自由権」及び「人権」を保持する義務とその濫用の禁止について規定し、第11条、第13条とともに人権保障の基本原則を定めているとされています。ちなみに第11条は基本的人権、第13条は個人の尊厳について定めています。ちなみに基本的人権は平等権、自由権社会権に主に分けられるとされています。(中学校社会 公民/自由権 - Wikibooks)

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次に条文と解説について確認します。上記では国民の倫理的指針を示しており、「権利や自由は主張し行使しなければ取り消される」とされています。また、さらに「自由」を行使する際には「公共の福祉」に反してはならないとされています。「公共の福祉」については詳しくは3節で取り扱いますが、「現在は二重の基準説によって、精神的自由(政治的自由を含む)は内在制約的解釈で政府の介入を認めず、経済的自由は『公共の福祉』に国家的利益や社会的利益を含めて解釈する傾向にある」とここでは記載されています。
自由権」の具体的な内容としては、「身体の自由」、「精神の自由(思想や表現の自由)」、「経済活動の自由(居住の・移転の自由や財産権)」の大まかに三つあるとされています。
参考: 中学校社会 公民/自由権 - Wikibooks

自由権」の概要については掴めたので、3節では「自由権」の制約としての「公共の福祉」について取り扱います。


3. 自由の制約としての「公共の福祉」について
3節では2節で「自由権」の制約として出てきた、「公共の福祉」について取り扱います。

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公共の福祉 - Wikipedia

まずWikipediaの冒頭を確認します。上記では、公共の福祉は「日本国憲法第12条、第13条、第22条、第29条に規定された人権の制約原理である」とされています。要するに際限なく自由を認めては他の人間の自由に抵触するため、制限をかけるというのが「公共の福祉」の考え方です。

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中学校社会 公民/公共の福祉 - Wikibooks

具体的には上記を例に考えるとわかりやすいです。例えば「表現の自由」では他人の名誉を傷つけないように(刑法)や、不当な選挙運動の禁止(公職選挙法)が例として挙げられています。「集会の自由」ではデモの規制(公安条例)、「居住・移転の自由」は感染症による入院。隔離の措置(感染症法)、「労働基本権」は公務員のストライキの禁止(国家公務員法)などがそれぞれ挙げられています。

このように「自由権」と言っても際限なく認められるわけではなく、「公共の福祉」による制約が課せられているということについては理解が必要です。


4. まとめ
#3では、日本国憲法第12条の「自由権」とそれに付随する「公共の福祉」について取り扱いました。
#4では、「国際法の歴史」と「集団安全保障」について取り扱っていきます。