ダイレクトメール、流通とチャネル、社員、起業家精神|『コトラーのマーケティング・コンセプト』読解メモ #7

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課題本として、「コトラーマーケティング・コンセプト」を設定したので読み進めていきます。

コトラーのマーケティング・コンセプト | 東洋経済STORE

#1ではまえがきと序文について、#2以降では3~4トピックずつ取り扱っています。

#6では顧客志向顧客満足(Customer Satisfaction)、データベースマーケティング(Database Marketing)、デザイン(Design)、差別化(Differentiation)について取り扱いました。

#7ではダイレクトメール(Direct Mail)、流通とチャネル(Distribution and Channels)、社員(Employees)、起業家精神(Entrepreneurship)について取り扱います。
以下、目次になります。
1. ダイレクトメール(Direct Mail)
2. 流通とチャネル(Distribution and Channels)
3. 社員(Employees)
4. 起業家精神(Entrepreneurship)
5. 感想・まとめ


1. ダイレクトメール_Direct Mail(簡単な要約)
最低のダイレクトメール活用法は、1%〜2%のレスポンスを期待して、リストの片っ端から発送する方法である。この方法では製品に対するニーズを持った人々にメッセージが伝わらなかったり相手が必要としないときにメールが届いたりするため、レスポンス率が低い「ジャンクメール」となってしまう。
より洗練された方法でダイレクトメールを活用する企業はまずリストを分類し、発送さきを最も有望な見込み客だけに限っている。この方法を取ることで少量のメールで高いレスポンス率を実現できるため、コストを抑えることができる。
多くのダイレクトメールが1度きりの販売に焦点を絞ったものとなってしまっている。が、より望ましいのは企業からのオファーが顧客を満足させ、ダイレクトメールの頻度も敵絵spottingつであり、製品やさーいすの確かな提供者として顧客から信頼される企業になることである。


2. 流通とチャネル_Distribution and Channels(簡単な要約)
多くの企業では製品の製造よりも製品を市場に送り出すことのほうにコストがかかっている。農家はこのことをよく知っている。マーケティング・コストが企業の総コストに占める割合は平均で50%に達している。生産者はコストがかかりすぎるという理由で仲介業者を排除したがっている。しかし、仲介業者を排除することはできても、仲介業者が担っていた機能を排除することはできず、企業と顧客のいずれかもしくは双方がその機能を負担しなくてはならない。
企業は新製品の市場への投入に際し、どの企業も市場進出戦略を策定する必要がある。ただし、今日の市場進出戦略には多様な選択肢が含まれているので注意が必要である。
ドラッカーの言葉にあるように「最大の変化が生じるのは、製造や消費の方法ではなく、流通チャネルにおいて」であり、適切なチャネルを選択することは非常に重要である。製品やサービスを流通させるために企業がいくつマーケティングチャネルを用いるべきかに関しては色々と考慮しなくてはならない。新規でチャネルを加えるにあたっては下記の二点の問題が生じることに注意が必要である。

1) 市場カバレッジの拡大と引き換えに企業の市場支配力が弱まるため、製品やサービスの質が低下しかねない問題
2) チャネルコンフリクトが大きな課題に発展しかねないという問題

1社で複数のチャネルを用いる場合は、各チャネルの運営方針を統一しなければならない。また、特別の顧客に特別のチャネルを用意する方法もある。
流通チャネルはたえず動いているため、適切に活用すれば競争優位の源泉となるが、使い方を誤ると競争の足かせとなってしまう。


3. 社員_Employees(簡単な要約)
社員は企業そのものであり、マーケティングを生かすも殺すも社員次第である。とりわけこの主張があてはまるのはサービス業界である。サービス業では人的接触が頻繁に発生し、ホテルのフロント係が無愛想だった、ウェイトレスが退屈そうにしていたなどの理由で顧客はすぐに取引先を変える。
自社にふさわしい人材を発見するために並々ならぬ努力を重ねている企業もあり、今日の状況は労働者が不足しているというよりも、才能ある人材が不足していると行った方が正しいと思われる。例えばサウスウェスト航空では社員に求められる性格や特性が厳密に規定されているため、年間の応募者の9万人の中から採用されるのはわずか4%にとどまっている。
才能とやる気に満ちた人材を見つけ、社員として確保することは、事業成功の鍵を握る重要課題となる。この際の賃金は効果的な社員管理のための1つの方策にすぎない。企業は人間の集まりであり、社会的な組織体である。そのため社員は価値ある事業を営む組織に所属し、価値ある貢献を果たしているという実感を得たいものである。
共通の価値観に基づいた強固な文化を持つ企業は、弱い文化しか持たない企業に比べ、はるかに高い業績を業績をあげていることが実証的に示されている。


4. 起業家精神_Entrepreneurship(簡単な要約)
事業は1人の起業家が思いついたアイデアから始まる。起業家はリスクを取って、新しいものを生み出すことを試みる。成功した際には多くの人々に職と収入確保の道が開かれる。一方で中国のことわざで「事業を起こすのは簡単だが、それを維持して行くのは極めて困難である」と言われているなど、継続性にも注意が必要である。
事業が発展して行くにつれて仕事が定型業務の繰り返しになる、会社は整備の行き届いた機械と化すなど、成長に伴って起業家精神が失われる場合もある。


5. 感想・まとめ
#7ではダイレクトメール(Direct Mail)、流通とチャネル(Distribution and Channels)、社員(Employees)、起業家精神(Entrepreneurship)について取り扱いました。
気になったのが流通とチャネルのところで、こちらについては収益性とブランドをどのように定義するかなども重要だと思われました。
#8では経験マーケティング以降について取り扱っていきます。