顧客満足、データベースマーケティング、デザイン、差別化|『コトラーのマーケティング・コンセプト』読解メモ #6

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課題本として、「コトラーマーケティング・コンセプト」を設定したので読み進めていきます。

コトラーのマーケティング・コンセプト | 東洋経済STORE
#1ではまえがきと序文について、#2以降では3~4トピックずつ取り扱っています。

#5では顧客志向(Customer Orientation)、CRM(Customer Relationship Management)、顧客(Customer)について取り扱いました。

#6では顧客満足(Customer Satisfaction)、データベースマーケティング(Database Marketing)、デザイン(Design)、差別化(Differentiation)について取り扱います。
以下、目次になります。
1. 顧客満足(Customer Satisfaction)
2. データベースマーケティング(Database Marketing)
3. デザイン(Design)
4. 差別化(Differentiation)
5. 感想・まとめ


1. 顧客満足_Customer Satisfaction(簡単な要約)
多くの企業が顧客満足よりも市場シェアの方に注意を払っているが、これは誤りである。市場シェアは過去に関する指標であり、顧客満足は将来に関する指標である。顧客満足が低下しはじめると、やがて市場シェアも減少する。
企業は顧客満足レベルを注視し、向上させる必要がある。顧客満足どに比例して顧客維持率も上昇する。これに関しては下記の4つの事実がある。

1) 新規顧客の獲得には、既存顧客を満足させ維持する場合の5倍〜10倍のコストがかかる
2) 平均的な企業は、年間に10%〜20%の顧客を失っている
3) 業種によって差はあるものの、顧客離反率を5%低下させれば利益は25%〜85%増加する
4) 顧客1人あたりの利益率は維持された顧客の生涯を通じて増加する傾向にある

顧客満足の追求は必要ではあるが、それだけを目指せば十分というわけではない。競争の激しい市場においては、顧客満足と顧客維持の相関がそれほど強くはない。企業は満足した顧客の一部を常に失っており、顧客維持に集中する必要がある。
企業は単に顧客を満足させることではなく、顧客を喜ばせることを目標とすべきである。トップ企業は顧客の期待を上回り、顧客を喜ばせている。


2. データベースマーケティング_Database Marketing(簡単な要約)
CRMの根幹をなすのはデータベースマーケティングである。企業は顧客、社員、製品、サービス、供給業者、ディーラー、小売業者ごとにデータベースを作成する必要がある。マーケターはデータベースを活用することで、個々の顧客にとって意味のある提供物をより容易に開発できるようになる。
顧客データベースを構築するにあたっては、まずどのような情報を収集するかを決めなければならない。その後に情報を集め、メンテナンスと更新を行い、情報の活用を行うと良い。これによってOne to Oneマーケティングに生かすことができる。
一方でOne to Oneマーケティングが全ての企業向けというわけではなく、一生に一度しか購入しない製品などはその例外である。たとえばグランドピアノなどを扱う企業には適していない。


3. デザイン_Design(簡単な要約)
デザインという言葉は、製品デザイン、サービスデザイン、グラフィックデザイン、環境デザインなど、非常に幅広く用いられている。デザインは成功する製品やサービスを開発する上で必要とされる一連のツールや概念を含んでいるにもかかわらず、デザインとは何かを理解している管理者、デザインを重視する管理者はほとんどいない。
デザインは製品の外観という域を超えた概念である。魅力的でなおかつ優れたデザインの製品とは以下の基準を満たすような製品のことである。

・パッケージを開けるのが簡単
・組み立てが簡単
・すぐに使い方がわかる
・使いやすい
・修理しやすい
・処分しやすい

優れたデザインのためには、入手方法、使用方法、処分方法など顧客のあらゆる行動をとことん考える必要がある。最も基本的なことは、標的顧客が誰なのかを知ることである。


4. 差別化_Differentiation(簡単な要約)
購入する製品やブランドの違いに関心がない場合や、売り手について何も知る必要がない場合、製品市場はコモディティ市場化すると言われている。一方で以下のような方法を取ることで、非差別化市場において差別化を図ることができる。

1) 製品の外観によって差別化を図ることができる。オレンジの場合で言えば、大きさ、形、色、味などの異なるオレンジを異なる価格で提供する。これを物理的差別化という。
2) 特徴的なブランド名を使用する方法で、ブランドによる差別化と呼ばれている。オレンジの例だとサンキストやフロリダなどがつけられている。
3) 顧客が特定の供給業者との関係に満足を覚える場合である。これをリレーションシップによる差別化という。

この際に注意点としては、ほかとの違いが全て特徴と呼べるわけではないということである。大切なのは「類似点の改良ではなく、意味ある違い」を確立することである。


5. 感想・まとめ
#6は顧客満足(Customer Satisfaction)、データベースマーケティング(Database Marketing)、デザイン(Design)、差別化(Differentiation)について取り扱いました。顧客満足定量化はどの観点から行うかについて様々な軸があるので、思考を整理できて非常に興味深い内容でした。また、差別化などもセールスにおいてよく聞くのでこの辺も気になりました。
#7ではダイレクトメール以降を取り扱っていきます。