コンサルタント、コーポレートブランディング、創造性、顧客ニーズ|『コトラーのマーケティング・コンセプト』読解メモ #4

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課題本として、「コトラーマーケティング・コンセプト」を設定したので読み進めていきます。

コトラーのマーケティング・コンセプト | 東洋経済STORE
#1ではまえがきと序文について、#2では広告(Advertising)、ブランド(Brands)、B2B(Business-to-Business Marketing)について、#3では変化(Change)、コミュニケーションとプロモーション(Communication and Promotion)、企業(Companies)、競争優位(Competitive Advantage)について取り扱いました。(ABC順に並んでいるようです)

#4ではコンサルタント(Consultants)、コーポレート・ブランディング(Corporate Branding)、創造性(Creativity)、顧客ニーズ(Customer Needs)について取り扱います。
以下、目次になります。
1. コンサルタント(Consultants)
2. コーポレート・ブランディング(Corporate Branding)
3. 創造性(Creativity)
4. 顧客ニーズ(Customer Needs)
5. 感想・まとめ


1. コンサルタント_Consultants(簡単な要約)
企業が市場機会や戦略、戦術を再評価するにあたって、コンサルタントのアドバイスが大いに役立つ場合もある。コンサルタントはクライアント企業に対して、外部視点から助言を提供し、自社視点に傾きがちな企業の見方を是正してくれる。
コンサルタントはより少なく結果はより多くというのが誰もが願うところだが、助言を与えるだけで実行に移すという困難な課題に取り組もうとしないコンサルタントがごまんといる。コンサルタントと縁を切る必要はないが支払いは成果ベースで行うべきである。
優秀なコンサルタントを見つけるためのテストとしては、「いま何時ですか?」と尋ねると良い。

1. 「午前9時32分10秒ちょうどです」と回答するコンサルタントは、厳密な事実ベースの調査が必要なときに向いている。
2. 「何時だと言って欲しいんですか?」と回答するコンサルタントは、助言よりもむしろ自分の考えを強化してほしい際に向いている。
3. 「なぜ知りたいのですが?」と聞いてくるコンサルタントは、問題を念入りに定義したいときや独創的な考え方が必要な際に向いている。

上記のようにコンサルタントはシチュエーションに応じて決めると良い。

 

2. コーポレート・ブランディング_Corporate Branding(簡単な要約)
強固なコーポレート・ブランドを構築することには大きな見返りがある。うまく構築することによって、競合他社の製品よりも選んでもらえやすくなる。
コーポレートブランディングで極めて重要なのは、企業が何かしらの象徴となることである。それは品質でも革新性でも親しみでもなんでも良い。
強固なコーポレート・ブランドを築くには、テーマ、キャッチフレーズ、グラフィックス、ロゴ、シンボルカラー、広告費などを組み合わせて、好ましいイメージを形成する必要がある。広告に頼りすぎず、優れた業績にPRが加われば企業広告よりもはるかに高い効果を上げる事ができる。


3. 創造性_Creativity(簡単な要約)
かつての企業は、効率と品質の卓越性を武器に、マーケティングという戦いで勝利を収める事ができた。今日の企業は、卓越的な創造性で勝者とならなくてはならない。よりよい類似品では勝てず、独自性が必要である。イケア、ハーレー・ダビッドソン、サウスウエスト航空など、市場の勝者はどれも独自性を有している。
独自性を高める方法としては以下の三つがある。

1. 生まれながらに創造的な人間を採用し、自由に行動させる。
2. 効果が実証されている様々な技法を用いて、組織の創造性を刺激する。
3. 専門家と契約し、創造性の向上を支援してもらう。


4. 顧客ニーズ_Customer Needs(簡単な要約)
マーケティングの本来のスローガンは、「ニーズを見出し、ニーズを満たせ」というものである。企業は顧客の声やインタビュー結果などからニーズを発見し、適切なソリューションを準備する。
しかし、今日では企業が気づいていないニーズや取り組んでいないニーズはほとんど存在しないので、「ニーズのない社会」に対して対応する必要がある。この際にイベントやトレンドが新たなニーズを生成する力があるので注意である。
購買者は自分が欲しいものが何であるかを学ぶということもある。この際に企業は購買者が何を欲するべきかを学ぶ上で強力な役割を担っている。「競争は消費者ニーズを満たす争いというよりも消費者ニーズを明確化する争いである」と考えることもできる。


5. 感想・まとめ
#4ではコンサルタント(Consultants)、コーポレート・ブランディング(Corporate Branding)、創造性(Creativity)、顧客ニーズ(Customer Needs)について取り扱いました。コンサルタントは客観的な視点からオプション(選択肢)の提示に役立てるという認識だったので、少々納得のいかない内容ではあったのですが全体的に参考になりました。
#5では顧客志向以降について取り扱っていければと思います。