概要と基本的な表記の確認|複素数平面を確認する #1

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複素数平面の基本的なトピックについて取り扱うシリーズです。複素平面と同義で専門的にはcomplex planeの訳語に複素平面とあてることが多いようですが、基本的なトピックを扱う当シリーズでは複素平面と表記することとします。
#1では概要の確認について行います。主に下記などを参考にします。

高等学校数学III/複素数平面 - Wikibooks

複素平面 - Wikipedia

以下が目次となります。
1. 複素平面の概要
2. 基本的な表記の確認
3. まとめ


1. 複素平面の概要
1節では複素平面の概要について確認します。

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複素平面 - Wikipedia

上記がWikipediaの記載ですが、複素数平面は複素数z=x+iyを直交座標(x, y) に対応させた直交座標平面のこと」とされています。

以下ではWikibooksの表記を確認していきます。

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(高等学校数学III/複素数平面 - Wikibooks より)
上記が複素数平面を考える上で基本的に用いられる図です。横軸を実軸(Realの略でReとされることもある)、縦軸を虚軸(Imaginaryの略でImとされることもある)として、複素数z=x+iyを平面上で表記しています。また、z=x+iyに対して、z=x-iyを共役と呼ぶことも抑えておくと良いと思います。

大体の概要についてつかめたので1節はここまでとします。

 

2. 基本的な表記の確認
2節では複素数平面における基本的な表記の確認について行います。

z=x+iy

1節では上記の複素数を平面に対応させて考えましたが、このときxy極形式(点の位置を極座標で表すことに対応する複素数の書き表し方)で表す方法もあります。

x = r\cos{\theta}
y = r\sin{\theta}

極形式では上記を用いてz=x+iyを下記のように変換します。

z = x+iy = r\cos{\theta}+ir\sin{\theta}
   = r(\cos{\theta}+i\sin{\theta})

ここで上記において、rx+iyの「絶対値」、\thetax+iyの「偏角」と呼びます。また、このときに諸々の定義より下記が成立することも抑えておくと良いと思います。

\displaystyle r = \sqrt{a^2+b^2}
\displaystyle \cos{\theta} = \frac{x}{r}
\displaystyle \sin{\theta} = \frac{y}{r}

複素数平面の基本的な表記について確認できたので2節はここまでとします。


3. まとめ
#1では複素数平面の概要の把握と表記の確認を行いました。
#2では「ド・モアブルの定理」について取り扱います。