Ch.3 組織マネジメント・リーダーシップ②|基本フレームワーク50[グロービスMBAキーワード] #9

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連載の経緯については過去記事に書いていますので省略します。詳しくは#1~3あたりをご確認いただけますと嬉しいです。
#8ではCh.3の組織マネジメント・リーダーシップの中からNo.27のPDCAからNo.30のパワーの厳選と影響力の武器までを取り扱いました。

#9ではNo.31のカッツ理論からNo.33のマズローの欲求5段階説について取り扱えればと思います。
以下目次になります。

1. 3章まとめ②(組織マネジメント・リーダーシップ)
1.1 カッツ理論(No.31)
1.2 動機付け・衛生要因(No.32)
1.3 マズローの欲求5段階説(No.33)
2. まとめ

 

1. 3章まとめ②(組織マネジメント・リーダーシップ)
1.1 カッツ理論(No.31)
・本の内容の要約
No.31のカッツ理論は、「ロバート・カッツ教授が提唱した、マネジャーの能力をテクニカル・スキル、ヒューマン・スキル、コンセプチュアル・スキルの三つに整理する考え方」とまとめられています。それぞれの三つのスキルは具体的には、テクニカル・スキルは業務遂行能力や業務知識と呼ばれるもので、会計担当者にとっての経理財務の知識や、システムエンジニアにとってのプログラミング能力がこれに該当するとされています。ヒューマン・スキルは俗にいう対人関係能力のことで、具体的には部下とのコミュニケーション能力や交渉力、調整力が含まれるとされています。コンセプチュアル・スキルは概念化能力とも呼ばれており、物事を概念化して捉えたり、抽象的に物事を考えたりする能力で、クリティカルシンキングと同様の能力と考えても良いだろうとされています。
利用にあたってのコツ・留意点としては、「スキルに重きを置きすぎているのではという指摘」と、「グローバルリーダーを目指すにあたっての指摘」が二つまとまっていました。

・読んでみての解釈
以前から知っている考え方ではあるのですが、面白い考え方だと思います。コンセプチュアル・スキルは非常に大事だなと感じます。

 

1.2 動機付け・衛生要因(No.32)
・本の内容の要約
No.32の動機付け・衛生要因は、「フレデリック・ハーズバーグが提唱した、仕事に対して満足を持たらす要因と不満をもたらす要因は異なるという考え方で前者を動機付け要因、後者を衛生要因である」とまとめられています。表32-1にはそれぞれの具体例がまとめられており、動機付け要因としては昇進の機会、個人的成長の機会、表彰、達成とされており、衛生要因としては管理者の質、給与、会社の方針、物理的な作業条件、対人関係、職務保証とされています。
利用にあたってのコツ・留意点としては、「従業員の満足度に注目するのは良いが、満足感と生産性の間のどれほどの関連性があるかは証明されていないので、どうすれば効果的に利益に繋がるような動機付けになるかをしっかり考える必要があること」と、「満足と不満足がそれぞれ反対の状態ではなく、満足の反対は満足なしで、不満の反対は不満なしだと意識すること」の二点が挙げられています。

・読んでみての解釈
満足と不満足の要因は違うというのは気づきそうで気づかないので、非常に秀逸な分析な印象です。確かに不満がない=満足とも違うし、満足していない=不満でもないと思います。
また、従業員満足度が高ければ良いのかに対する指摘も非常に参考になりました。満足度の方向性をある程度成果に結びつけていくように意識するのは大事なのだと思います。稀に主張するタイプがどの会社でも現われるのですが、的を外した指摘の場合も多いのでこの辺は注意が必要だと思います。声の大きな人の発言が通ってしまうケースなどは慎重に判断する必要があるのではと思います。

 

1.3 マズローの欲求5段階説(No.33)
・本の内容の要約
No.33のマズローの欲求5段階説は、「アブラハム・マズローによって提唱された、人間の欲求を5段階に分類し、重要性に従ってそれらが階層構造をなしているとしたモチベーション理論で、低次元の欲求が満たされれば、さらに高次の欲求を満たすべく行動すると考える考え方」とされています。それぞれ5段階の欲求は、生命を維持するための根源的な欲求である「生理的欲求」、安全で豊かな生活を求める「安全欲求」、良き組織やコミュニティに属して心の安定を得たいという「社会的欲求」、他者から尊敬されたいという「承認欲求」、自分の持つ能力や可能性を最大限に発揮しなすべきことを成し遂げたいという「自己実現欲求」とされています。
利用にあたってのコツ・留意点としては、「低次の欲求が満たされないと、高次の欲求に至らないというのは誤解だということに注意すること」と、「現実に自己実現の欲求を満たそうとすると費用対効果が合わない可能性もあるので社会的欲求や承認欲求を満たすだけでも従業員のモチベーションは上がると可能性が高いとされていること」の二点が挙げられています。

・読んでみての解釈
以前から知っていましたが面白い考え方だなと思います。これまで仕事をしてきた感じだと、結構承認欲求が強い方が多いかなという印象です。個人的には承認欲求はあまりなく結果をそのまま客観的に評価して欲しい派なので、この辺は苦手だったりはします。会社員だとどうしても社会的欲求や承認欲求の方に行きがちなようなので、合わないのかなという気はしました。

 

2. まとめ
納得いく点も納得いかない点もありますが、この辺を客観的に受け入れていくことが重要なのではないかと感じました。思考の整理として非常に役に立つ内容だったと思います。(逆にいうと知らないと違った視点から見る訓練ができないので勿体無い内容だと思います。)