Ch.3 組織マネジメント・リーダーシップ①|基本フレームワーク50[グロービスMBAキーワード] #8

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連載の経緯については過去記事に書いていますので省略します。詳しくは#1~3あたりをご確認いただけますと嬉しいです。
#3〜#7ではCh.2の戦略・マーケティングについて取り扱いました。
#8ではCh.3の組織マネジメント・リーダーシップの中からNo.27のPDCAからNo.30のパワーの厳選と影響力の武器までを取り扱えればと思います。
以下目次になります。

1. 3章まとめ①(組織マネジメント・リーダーシップ)
1.1 PDCA(No.27)
1.2 7S(No.28)
1.3 PM理論(No.29)
1.4 パワーの源泉と影響力の武器(No.30)
2. まとめ

 

1. 3章まとめ①(組織マネジメント・リーダーシップ)
1.1 PDCA(No.27)
・本の内容の要約
No.27のPDCAは、「企業が行う様々な活動を、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)という観点から管理するフレームワーク」とまとめられています。また、PDCAは組織のあらゆる営みに応用可能で効果が出やすいため、「最強のフレームワーク」と評する経営者もいるくらいだとされています。
利用にあたってのコツ・留意点としては、「適切なP(計画)を立てなければ評価、改善の余地がなくなってしまうので注意すべきであること」と、「達成度を捕捉するにあたって適切なKPIを設定すること」の二点が挙げられています。

・読んでみての解釈
PDCAフレームワークとしてもそうなのですが、むしろあちこちで使われているので慣用句化してきている印象です。仮説立案と実行、レビューのサイクルを高速に回すということを意識付けるためにもよく用いられているのではと思います。とにかくやってみないとわからない話も多いと思うので、そういった内容を実現していくためにはフレームワークそのものもそうだしPDCA的な価値観を使用していくというのが実際に多いのではないかと思います。

 

1.2 7S(No.28)

・本の内容の要約
No.28の7Sは、「組織のいくつかの要素の相互関係を表した組織分析に用いられるフレームワークで、4つのソフトSと3つのハードSからなる」とまとめられています。4つのソフトSはShared Value(共通の価値観、理念)、Style(組織文化・経営スタイル)、Staff(人材)、Skill(組織スキル)とされています。3つのハードSは、Strategy(戦略)、Structure(組織構造)、System(経営システム)とされています。図表28-2は図として7つを可視化してありわかりやすくて良いと思います。
利用にあたってのコツ・留意点としては、「7Sの分析ではそれぞれの要素が高い次元で整合していることが大事だということ」と、「組織変革の途中では、7つのSが整合しておらず、ハードの3Sにソフトの4Sが追いついて来ず、特に日本企業では人員の入れ替えが簡単ではないので4Sが追いついてきにくいこと」の二点について言及されています。

・読んでみての解釈
7Sは知らなかったのですが非常に興味深い内容でした。留意点の二点目で言及されているソフトの4Sは日本だと確かになかなか変化しないなという印象があります。その理由が人員の入れ替えが簡単ではないところに言及されており、非常に納得した内容でした。


1.3 PM理論(No.29)

・本の内容の要約
No.29のPM理論は、「リーダーシップをP機能(Performance function; 目標達成機能)とM機能(Maintenance funtion; 集団維持機能)の二つの能力要素で構成されていると考える三隅教授の提唱した理論」とされています。それぞれの二つの能力の強弱で図表29-1のような4象限を表す考え方です。組織として良いのはPM型のリーダーが多い組織ですが、PmやpMが混在する組織が典型的に見られることが多いようです。
利用にあたってのコツ・留意点としては、「日本ではMaintenance側が重視されがちだがPerformanceが弱くなるならそれはそれで気をつけるべきであること」と、「PM理論はわかりやすく現代でも有効なフレームワークではあるものの、ほかのリーダーシップ論も学んだ上で使いこなすことが必要であること」の二点が挙げられています。

・読んでみての解釈
これは以前から知っていましたが、PMを兼ね揃えている方と何度か仕事をしたことがありますが参考になりました。Performanceについては割と評価基準が一つなのではっきりしているのですが、Maintenanceの方は人によってやり方が異なるので非常に面白いところです。


1.4 パワーの源泉と影響力の武器(No.30)

・本の内容の要約
No.30のパワーの源泉と影響力の武器は、「人や組織の行動に影響を与える力が何に由来しているかを考えるのがパワーの源泉の考え方で、一般論として他人の行動にどうすれば影響力を与えられるかを示すのが影響力の武器の考え方」とされています。ジョン・フレンチとバートラム・ラーベンによるパワーの源泉の分類では、強制力、報酬力、政党権力、専門力、同一視力の5つが影響力の源泉とされています。
利用にあたってのコツ・留意点としては、「使うことでてきめんに効果が出る反面、最近では同様の内容を解説されている本などが増えたため用いる際には相手の気分を害さないように注意が必要なこと」と、「相手に伝わってないと行使できないため、嫌味にならない程度に周りにパワーを伝える必要があること」の二点についてまとめられています。

・読んでみての解釈
これまでを振り返ってみると、報酬力と専門力で動かされているなという印象でした。そのためこの二点を重視し過ぎる傾向にあったので、もう少しバランスを取った視点も持つようにしていきたいなと感じました。

 

2. まとめ

組織マネジメントやリーダーシップはドラッカーにも繋がってくる話なので、対比で読んでいくと面白いのではという印象です。様々な視点から組織論やマネジメントについて俯瞰する視野を持てたら良さそうです。