Ch.2 戦略・マーケティング④|基本フレームワーク50[グロービスMBAキーワード] #6

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連載の経緯については過去記事に書いていますので省略します。詳しくは#1~3あたりをご確認いただけますと嬉しいです。
#3ではCh.2の戦略・マーケティングのうち、No.8のPEST分析からNo.11の3C分析まで、#4ではNo.12のSWOT分析からNo.15のビジネスモデルまで、#5ではNo.16の戦略キャンバスからNo.19のアンゾフの事業拡大マトリクスまでを取り扱いました。

#6では同じくCh.2のNo.20のセグメンテーションとターゲティングからNo.22のマーケティングミックス(4P)までを取り扱えればと思います。
以下目次になります。

1. 2章まとめ④(戦略・マーケティング
1.1 セグメンテーションとターゲティング(No.20)
1.2 ポジショニングマップ(No.21)
1.3 マーケティング・ミックス_4P(No.22)
2. まとめ


1. 2章まとめ④(戦略・マーケティング
1.1 セグメンテーションとターゲティング(No.20)
・本の内容の要約
No.20のセグメンテーションは、「不特定多数の人々を同じニーズや性質を持つ固まり(セグメント)に分けること」、ターゲティングは「切り分けた市場セグメントの中から具体的に標的セグメントを選ぶこと」とまとめられています。昨今では市場の成熟化に伴い、顧客のニーズは極めて細分化・多様化しており、顧客ニーズの全てに応えようとするのではなく、市場をある程度切り分けて(セグメンテーション)自社に適切な市場セグメントを選ぼう(ターゲティング)という考え方が必要になってきています。市場を切り分けるセグメンテーションの変数としては地理的変数や人口動態などが挙げられています。
利用にあたってのコツ・留意点としては、「1人の中に複数の個性がある場合があるという点を意識すべきだということ」と「魅力度とその中で勝ち残れる可能性を天秤にかけた上で競合の動向も意識しながら、適切な市場選択を行う必要があること」の二点が挙げられています。

・読んでみての解釈
セグメンテーションは市場をどう定義するかなので非常に重要です。この辺で定義した市場がNo.14の3つの基本戦略などに繋がっていきます。市場の定義にあたっては、本でも言及がありますが、地域、顧客、商品、流通チャネルを一旦中心に考えておくのが良いのではと思います。


1.2 ポジショニングマップ(No.21)

・本の内容の要約
No.21のポジショニングマップは、「ターゲット顧客に自社の製品をどんな風に他社の製品と違うと認識してもらうかということで、特に2次元のマトリクスで自社の位置を示すものをポジショニングマップという」とまとめられています。競合と意味のある差異を作り、それをしっかり顧客に認識(認知)してもらうことが重要だとされています。ポジショニングの方法は大きく2つあり、「ユニークな定義で他に類のないものとして認識してもらうこと」と、「ポジショニングマップを顧客視点の言葉で構築した上で自社を優位に位置づける」という二点が挙げられています。
利用にあたってのコツや留意点は「実際に顧客が頭の中で持つ各商品のイメージ図であるパーセプションマップをしっかり把握すること」と「既存の差別化軸に捉われず新しい差別化軸を考えることが重要であること」の二つが挙げられています。

・読んでみての解釈
概念自体は知っていたのですが、パーセプションマップについては知らなかったので非常に参考になりました。顧客に自分と同様の思考パターンを想定して諸々やってきたことも結構あって、力技が通じるときはうまくいくのですがそうでないケースにおいてなかなかうまくいかないなどはあった気がします。この辺はこれまで振り返るに若干苦手な思考パターンだったので今後は意識していきたいです。(フレームワークが便利なのは大体は知ってて上手く行っているけど一部よくない場所がある際に修正がしやすいことです。多くの事例の積み重ねの結果ノウハウとして蓄積しているものを参考にすることでより良い方向に改善を繰り返していけるのではと思います。)


1.3 マーケティング・ミックス_4P(No.22)

・本の内容の要約
マーケティング・ミックスは、「企業がターゲット市場において目的を達成するために活用する、コントロール可能な施策の組み合わせで通常はマーケティングの活動要素である4Pを指す」とされています。4Pはそれぞれ、「Product」、「Price」、「Place」、「Promotion」の略で図表22-1が視覚イメージとしてわかりやすいです。
利用にあたってのコツや留意点としては、「4Pはそれぞれの難しさを持つが、近年IT化によりPromotionが最も急激にありようを変えて新しい手法が生まれていること」と、「ブランドの持つ重要度が高まっており、ロイヤリティ(忠誠心)を感じてもらうように顧客を導く上で非常に重要な位置を占める」の二点がまとめられています。

・読んでみての解釈
結構定性的で扱いづらい概念なので、こちらもNo.18のPPMやNp.19のアンゾフのマトリクスなどと同様にブレストツールとして用いる方が良いのではと思いました。また、利用にあたってのコツ・留意点は非常に参考になりました。近年やはりPromotionが大きく変わってきていて、Youtuberなど様々なビジネスが新しく出てきているなと感じます。また、ブランドの持つ意味が大きくなっているのは単純にスペック勝負で大きな差が出なくなってきており(例えば白黒テレビとカラーテレビの違いは大きいインパクトだけれど、ある程度を越えるとテレビ間でのスペックの差はさほど気にならない)、違ったポイントに価値が見出されるようになってきているからではないかと思います。
技術革新によるこの流れは今後ますます進んでいくと思われるので注意が必要なのではと感じました。(今後はクリエイティブな領域の仕事の重要性が大きくなるにつれて働き方も大きく変わってくるのではないかという気もします。)


2. まとめ

セグメンテーションやポジショニングは個人的に好きなフレームワークなので非常に興味深かったです。市場の定義やポジショニングの軸の定義などがロジカルで面白いというのもあるかもしれません。ちなみにデータ分析の観点からはクロス集計などでいろいろな軸からデータを見たりなどします。
ようやくCh.2の戦略・マーケティングもあと4タイトルとなったので#7では最後の4つについて取り扱えればと思います。