Ch.5 その他上級編①|基本フレームワーク50[グロービスMBAキーワード] #14

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連載の経緯については過去記事に書いていますので省略します。詳しくは#1~3あたりをご確認いただけますと嬉しいです。
#11~#13ではCh.4の会計・ファイナンスを取り扱いました。

#14ではCh.5のその他上級編のNo.46のMFTフレームからNo.48のサービス・プロフィット・チェーンについて取り扱えればと思います。
以下目次になります。

1. 5章まとめ①(その他上級編)
1.1 MFTフレーム(No.46)
1.2 イノベーションのジレンマ(No.47)
1.3 サービス・プロフィット・チェーン(No.48)
2. まとめ

 

1. 5章まとめ①(その他上級編)
1.1 MFTフレーム(No.46)
・本の内容の要約
No.46のMFTフレームは、「アーサー・D・リトル社が提唱した要素技術と市場ニーズの間に『ファンクション(機能、効用)』という概念を置くことで製品化や事業化のイメージを容易にすることを意識したフレームワークで、MFTはそれぞれMarket、Function、Technologyの頭文字を取っている」とまとめられています。技術者は往々にして「技術の言葉」で語りがちなのでそういった落とし穴を避けるために、提供機能・効用(F)を通じて市場(M)届けられなければ意味がないと考えるのがMFTフレームワークです。MFTを利用すると技術と商品の組み合わせについて柔軟に考えることができるため思考の硬直化を防ぐことができます。
利用にあたってのコツ・留意点としては、「MとFとTの連携を適切に取るための工夫やマインドセットが必要で、車内のコミュニケーションを活性化してバリューチェーン間の連携を高める必要があること」と、「MFTの鍵はFにあるが、本当に顧客視点でMを考えるのは意外と難しいため、顧客にとっての価値をより意識するべきであること」の二つがまとまっていました。

 

・読んでみての解釈
技術もビジネスも両方関わっているとバランス感覚が難しくなるのですが、このフレームワークを意識すると色々とうまくやれそうだなという印象を受けました。どちらかに偏ってしまいがちだし、実際にそうなることも多いのでMFTで整理することでうまくバランスを取っていくのは必要だなと感じました。

 

1.2 イノベーションのジレンマ(No.47)
・本の内容の要約
No.47のイノベーションのジレンマは、「クレイトン・クリステンセン教授が提唱した業界上位の企業が顧客の意見に耳を傾けさらに高品質の製品サービスを提供することにこだわりすぎるあまり破壊的イノベーションに市場を奪われ、失敗を招く考え方で真面目に経営をすることが失敗をもたらすという逆説を含む」とまとめられています。破壊的イノベーションは既存のメイン顧客とは別の顧客から支持される形で普及するのが一般的で、しばしばいつの間にかそれがメインストリームになり隆盛を誇った技術を追いやることにつながるとされています。
利用にあたってのコツ・留意点としては、「既存の持続的技術はその勝ちパターンが顧客との関係性や組織内部の仕組み、あるいは経営者や現場で顧客と相対する技術者や営業担当者のメンタリティまで浸透しているため、それを帰ることは極めて困難であるのでゼロベースで新しいやり方を模索する法が有効なケースもあること」と、「特に日本企業は『品質』や『改善』といったものへのこだわりが強く、往々にしてコスト度外視になりがちでイノベーションのジレンマに陥る素地となるので注意が必要なこと」の二点が挙げられています。

・読んでみての解釈
イノベーションのジレンマは日本企業が弱い点なので、非常に興味深かったです。個人で強く意識しないと、日本の企業風土だとこの辺の目利きが弱くなってしまうので、この辺は注意が必要だと思います。
また、システム的に既存事業と一緒にしては難しいので新しいことにチャレンジするという組織の仕組みをどう作るかは非常に難しいポイントだと感じました。うまくいっている会社というのはこの辺について自然と新陳代謝ができるようになっているのだと思います。


1.3 サービス・プロフィット・チェーン(No.48)
・本の内容の要約
No.48のサービス・プロフィット・チェーンは、「ジェームズ・ヘスケット教授らが提唱したサービス業に関して、様々な経営指標の間の因果関係を明らかにしてモデル化したもの」とまとめられています。サティスファクション・ミラー同様、サービス業では顧客と提供者側の従業員の距離が近いこともあり、様々な指標が絡みあり特に従業員満足度と顧客満足度が中心となるとされています。また、図表48-1にもあるようにサービス・プロフィット・チェーンのベースとなる因果関係として、「社内サービスの質」=>「従業員満足」=>「従業員の生産性」=>「顧客サービスの質」=>「顧客満足」=>「顧客ロイヤルティ」=>「売り上げ、成長、利益率」の7つが挙げられています。
利用にあたってのコツ・留意点としては、「顧客ロイヤルティはリピート率に加え顧客の口コミを考慮する方が良いこと」と、「従業員の満足度やロイヤルティはハードな仕組みだけで実現できるものではないので、会社の経営理念や組織文化なども重要視すべきであること」の二点が挙げられています。

・読んでみての解釈
サービス業ならではだなと感じました。が、やはりCustomer対応は非常に難しいので、良い組織文化を醸成するのは非常に重要だなと思います。ホテル業や高級レストランなどではこの辺はかなり求められるのではと思います。

 

2. まとめ
上級編というので難しいのかなと思っていたのですが、むしろ技術系の話題が多かったので理解しやすい印象でした。
特にMFT、イノベーションのジレンマは意識が抜けがちなのでこの辺は時折考える習慣をつけていかねばと感じました。