Ch.4 会計・ファイナンス③|基本フレームワーク50[グロービスMBAキーワード] #13

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連載の経緯については過去記事に書いていますので省略します。詳しくは#1~3あたりをご確認いただけますと嬉しいです。#11ではCh.4の会計・ファイナンスのNo.37の損益分岐点分析からNo.39のバランススコアカードまで、#12ではNo.40のNPVからNo.42のWACCについて取り扱いました。

 #13ではNo.43のCAPMからNo.45のリアルオプションについて取り扱えればと思います。
以下目次になります。

1. 4章まとめ③(会計・ファイナンス
1.1 CAPM(No.43)
1.2 EVA(No.44)
1.3 リアルオプション(No.45)
2. まとめ


1. 4章まとめ③(会計・ファイナンス
1.1 CAPM(No.43)
・本の内容の要約
No.43のCAPMは、「スタンフォード大学のシャープ教授らが提唱した資本資産価格モデル(Capital Asset Pricing Model)で、株式などの個別銘柄の期待利回りを計算するときに用いられる前提モデルである」とまとめられています。CAPMはかつては株主資本コストに対する理解が低く、安易な増資に走る企業も少なくなかった状況下で、株主資本コストを求める方法論、数式を具体的に提示することになった考え方とされています。
利用にあたってのコツ・留意点としては、「国債の利回りはすぐに手に入る一方で、βやマーケット・リスクプレミアムを計算する際にどこまでの期間の平均を取れば良いのか悩ましいこと」と、「βはそれまでの事業の構成を反映するものなので、ハイテク産業などにシフトする場合はハイリスクのためβが高まることが予想されるなど値が変わる可能性があること」の二つがまとまっていました。

・読んでみての解釈
よっぽどの分析ニーズがない限りはここまではいらないのではと思いました。
一旦は、株主資本コストに対する理解をするにあたってのフレームワークとしてCAPMがあると抑えておいた上で、必要に応じて抑え直すで十分な気がしました。

 

1.2 EVA(No.44)
・本の内容の要約
No.44のEVA(Economic Value Added)は、「収益性の評価指標の1つで、投下資本に対して当該機関に発生する資本コストを差し引いたもの」とまとめられています。ROE(自己資本利益率)といった伝統的な経営指標が、会計上の数字を用いているため恣意性が入りやすいのに対し、EVAはファイナンスの発想に基づくため恣意性が入りにくいことで用いられるようになったとされています。数式は図表44-1にまとまっています。
利用にあたってのコツ・留意点としては、「EVAは非常によく練られた指標である一方で、ファイナンスの知識があまりない従業員にはわかりにくい弱点があることに注意すべきこと」と、「どこまで詳細に元々のやり方を踏襲するかは考えた方が良いこと」の二点が挙げられています。

・読んでみての解釈
No.43と同じくこちらも気にし過ぎないほうが良い気がしました。一旦言葉として抑えておければ十分なのではないかと思いました。

 

1.3 リアルオプション(No.45)
・本の内容の要約
No.45のリアルオプションは、「金融高額で用いられるオブションの価格決定理論をプロジェクト評価に応用したもので、NPVなどの他のプロジェクト評価方法に比べ高い柔軟性を持つ考え方」とまとめられています。リアルオプションの原理としては、不確実性のある将来において柔軟性を持つプロジェクトや資産は、そうではないプロジェクトや資産に比べて高く評価できるとされています。図表45-1は具体例を用いてプロジェクトを計算した例ですが、計画に柔軟性があるかないかでプロジェクトの採択可否に影響を及ぼす形になっています。
利用にあたってのコツ・留意点としては、「リアルオプションを用いるにあたって、将来の柔軟性をこじつけるということにならないように、結論ありきではなく本当に価値が生まれるかどうかを正しく見極める必要があること」と、「ブラックショールズなどの公式なども応用でき、金融資産の価値を求める式が実際の不確実なビジネスの評価にも応用できることを覚えておくと良いこと」の二点が挙げられています。

・読んでみての解釈
なかなか面白い考え方だと思いました。
柔軟性を高く評価するという視点は非常に重要だと思いました。


2. まとめ
若干マニアックな気がしたので今回は読み流しました。
財務系のしっかりした分析などが必要なケースがあればまた確認できればと思いました。