マーケティングの考え方と実践のトレンド、価値、クチコミ、熱意|『コトラーのマーケティング・コンセプト』読解メモ #21

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課題本として、「コトラーマーケティング・コンセプト」を設定したので読み進めていきます。

コトラーのマーケティング・コンセプト | 東洋経済STORE

#1ではまえがきと序文について、#2以降では3~4トピックずつ取り扱っています。

#20では成功と失敗(Success and Failure)、供給業者(Suppliers)、標的市場(Target Market)、テクノロジー(Technology)、テレマーケティングとコールセンター(Telemarketing and Call Centers)について取り扱いました。
https://lib-arts.hatenablog.com/entry/kotler_marketing20
#21ではマーケティングの考え方と実践のトレンド(Trends in Marketing Thinking and Practice)、価値(Value)、クチコミ(Word of Mouth)、熱意(Zest)について取り扱います。
以下、目次になります。
1. マーケティングの考え方と実践のトレンド(Trends in Marketing Thinking and Practice)
2. 価値(Value)
3. クチコミ(Word of Mouth)
4. 熱意(Zest)
5. 感想・まとめ

 

1. マーケティングの考え方と実践のトレンド_Trends in Marketing Thinking and Practice(簡単な要約)
現在のマーケティングの主なトレンドには以下のようなものがあると思われる。

・生産-販売型マーケティングから、知覚-反応マーケティング
・顧客獲得志向から顧客維持志向へ
・市場シェアの追求から顧客シェアの追求へ
・マーケターの独白から顧客との対話へ
・マス・マーケティングから個別マーケティング
・資産の所有からブランドの所有へ
・現実の市場におけるオペレーションから、インターネットにおけるオペレーションへ
・単一チャネル・マーケティングからマルチチャネル・マーケティング
・製品中心マーケティングから顧客中心マーケティング

産業によって、また企業によって、こうしたトレンドの影響を受ける度合いや時期は異なると思われるが、企業はこうしたマーケティングのトレンドに照らして、自社がどのような立場を取っていくかを決定しなければならない。


2. 価値_Value(簡単な要約)
マーケティングの役割は、顧客価値を創造し、提供し、理解することである。価値とは品質(quality)、サービス(service)、価格(price)のQSPを標的市場において最適な形に組み合わせたものである。
マイケル・ラニング(Michael Lanning)は、競争で勝利を収めるのは、競合他社よりも優れた価値提案と価値提供システムを構築した企業だと主張する。価値提案は単にある1つの特性に関する企業のポジショニングを示したものではなく、製品が約束する経験の総和であり、さらに、その経験を約束するという誠実さに裏打ちされたものでなくてはならない。賢明な企業は購買価値だけにとどまらず、使用価値をも提供する。
顧客満足のための出費が増えていくことに対しては、付加価値コストと非付加価値コストをはっきりと区別する必要がある。新しいサービスを導入するためのコストに対し、顧客がその分の価値を認めるかというのを検討しなくてはならない。


3. クチコミ_Word of Mouth(簡単な要約)
製品の価値を説得するという点にかけては、いかなる広告もいかなる販売員も、友人や知人、以前の顧客、中立的な専門家にはかなわない。そのため、新製品を投入する企業はなんとかしてクチコミ情報が広がるきっかけを作ろうとする。
マーケターは、広告の内容を信じてもらえること、そしてそれがクチコミで広がることを願いつつ、新製品の広告を製作する。だが、新規顧客を獲得するために、専門家や既存顧客をどのように活用すべきかを理解しているマーケターはほとんどいない。
企業のマーケティング活動は、次第にクチコミを活用するようになってきている。企業は製品を早くから使用している人の中で、意見をはっきり述べ、好奇心旺盛で、しかも広い人脈を持つような人物を見つけようと努力している。
今日では、実際の利用客(評論家でなく)によるニューヨークのレストラン評をまとめたザガットや、インターネット上で誰もが製品の評価を書き込めるイーピニオン(epinion)のような「噂(バズ)の集大成」的な媒体が増えている。やがて消費者は、誰の意見が信用でき、誰の意見が信用できないかを見極められるようになり、もはや広告には頼らなくなるだろうと思われる。


4. 熱意_Zest(簡単な要約)
熱意にかけるマーケターは効果的とは言えない。例えばサウスウエスト航空の元CEOのハーブ・ケレハーは自分の航空会社で働くことを徹底的に楽しんでいた。また自分と同じように、顧客を幸福にすることに喜びを感じられる人材のみを採用していた。
マーケターとして採用するのは、人生に熱中できる人間に限るべきで、そうでない者は経理に回すべきである。


5. 感想・まとめ
#21ではマーケティングの考え方と実践のトレンド(Trends in Marketing Thinking and Practice)、価値(Value)、クチコミ(Word of Mouth)、熱意(Zest)について取り扱いました。興味深かったのはトレンドの変化と価値に関してです。特に価値に関して購買価値だけでなく使用価値に注目することの重要さについて強調されていたのが印象深かったです。
#21をもって本全体の80のコンセプトを取り扱えたので、読解メモはここまでとします。

【入門者向け】Pythonにおけるモジュールの実装②|Python入門 #10

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#1ではPythonを用いたFizzBuzzのコーディングについてまとめました。

入門者の方に読んでみていただいたところ、少し難しかったようなので、#2以降では#1で触れた基本文法をそれぞれもう少し丁寧に解説を行なっていきます。基本的には下記のPythonのドキュメントのチュートリアルなどを元にして解説していきます。

Python チュートリアル — Python 3.7.4 ドキュメント

#2ではPythonにおける四則演算・文字列について、#3ではリスト・タプル・辞書について、#4ではPythonの制御構文について、#5ではPythonの入出力に関して、#6ではPythonの関数の実装について、#7ではPythonにおけるクラスの実装について、#8ではPythonにおけるクラスの継承とオブジェクト指向について、#9ではPythonにおけるモジュールの概要の理解と簡単な実装について取り扱いました。

【入門者向け】Pythonの基礎文法① 四則演算・文字列|Python入門 #2 - lib-arts’s diary

【入門者向け】Pythonの基礎文法② リスト・タプル・辞書|Python入門 #3 - lib-arts’s diary

【入門者向け】Pythonの基礎文法③ 制御構文(if、for)|Python入門 #4 - lib-arts’s diary

【入門者向け】Pythonの入出力の実装|Python入門 #5 - lib-arts’s diary

【入門者向け】Pythonの関数の実装|Python入門 #6 - lib-arts’s diary

【入門者向け】クラスの概要とPythonにおける実装|Python入門 #7 - lib-arts’s diary

https://lib-arts.hatenablog.com/entry/entrance_python8
https://lib-arts.hatenablog.com/entry/entrance_python9
#10ではSection6.2〜6.4をベースに標準モジュールやdir()関数、パッケージについて取り扱います。

6. モジュール — Python 3.7.4 ドキュメント

以下目次になります。
1. 標準モジュール(Section6.2)
2. dir()関数(Section6.3)
3. パッケージ(Section6.4)
4. まとめ


1. 標準モジュール(Section6.2)
1節ではSection6.2で記載されている標準モジュールについて取り扱います。

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まずは上記の解説を確認していきます。Pythonは標準ライブラリを保持しているとあります。記述が難しいので、ざっくりとした理解としては、#9で実装を確認したモジュールですが、自作したり外部ライブラリをインストールしたりする以外にも、Pythonに標準で入っているモジュールを用いることができるということです。この標準ライブラリについては、Pythonの言語自体に保持させていることから、基本的な機能かつよく使うだろうということが推測できます(実際によく用いる基本的な機能が多いです)。
説明が長くてもわかりにくいので、だいたいの概要がつかめたところで実際にコードを動かしてみます。

import sys

print(sys.ps1)
print(sys.ps2)

sys.ps1 = 'C> '
print(sys.ps1)

上記を実行すると下記のようになります。

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Jupyterで実行したため、デフォルトのsys.ps1の出力値はチュートリアルの出力値と異なっています。
また、sysモジュールでよく用いるのはsys.pathです。

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上記のようにsys.pathは環境変数のPYTHONPATHに設定したデフォルトパスにPYTHONPATHが設定されていなければ、元々のデフォルト値に設定されるとされています。


2. dir()関数(Section6.3)
2節ではdir()関数について取り扱います。

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上記のようにdir()関数はモジュールが定義している名前を調べるのに使います。モジュールが実装しているメソッドや関数などを調べるにあたって便利です。

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ちなみにJupyter環境で実行した場合は上記のような結果を得ることができます。
dir()関数は最初のうちは使わないと思いますが、徐々に複雑なコードを確認するようになると便利になってくると思われるので、こういう機能あったなという認識をしておけば入門にあたっては一旦十分かと思われます。


3. パッケージ(Section6.4)
3節ではSection6.4に記載されているパッケージについて取り扱います。

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チュートリアルでは上記のようにパッケージ(package)について記載されています。Pythonのモジュールの名前空間を"ドット付きモジュール名"を使って構造化する手段とされています。このドット付きモジュール名を用いることで、複数モジュールからパッケージが構成されるときに、モジュール名について心配しなくてよくなります。

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具体的に音声処理のパッケージを考えた際に上記のようなファイルシステムで表現したパッケージの構造案があったとします。
この際に、

import sound.effects.echo

もしくは

from sound.effects import echo

のようにすることでechoというサブモジュールをimportすることができます。
このようにドット付きモジュール名を用いることで、モジュール名の管理がしやすくなります。


4. まとめ
#10ではSection6.2〜6.4をベースに標準モジュールやdir()関数、パッケージについて取り扱いました。
#11以降ではPythonの便利なライブラリを見ていきます。#11ではNumPyについて確認します。

成功と失敗、供給業者、標的市場、テクノロジー、テレマーケティングとコールセンター|『コトラーのマーケティング・コンセプト』読解メモ #20

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課題本として、「コトラーマーケティング・コンセプト」を設定したので読み進めていきます。

コトラーのマーケティング・コンセプト | 東洋経済STORE

#1ではまえがきと序文について、#2以降では3~4トピックずつ取り扱っています。

#19では販売(Selling)、サービス(Service)、スポンサーシップ(Sponsorship)、戦略(Strategy)について取り扱いました。
https://lib-arts.hatenablog.com/entry/kotler_marketing19
#20では成功と失敗(Success and Failure)、供給業者(Suppliers)、標的市場(Target Market)、テクノロジー(Technology)について取り扱います。
以下、目次になります。
1. 成功と失敗(Success and Failure)
2. 供給業者(Suppliers)
3. 標的市場(Target Market)
4. テクノロジー(Technology)
5. テレマーケティングとコールセンター(Telemarketing and Call Centers)
6. 感想・まとめ

 

1. 成功と失敗_Success and Failure(簡単な要約)
成功と失敗に関して様々な著名人の言葉を下記にまとめる。

・成功に関して最もつらいことは成功し続けなければならないということだ(アービングバーリン; Irving Berlin)
・ビジネスにおける唯一最大の問題は、過去に成功を収めたビジネスモデルをいつまでも続けることである(ルー・プラット; Lew Platt)
・失敗とは、前よりも賢い方法で再挑戦するための機会にすぎない(ヘンリー・フォード; Henry Ford)
・実生活を送る上で最も有益なことは、若い時期に少々失敗を経験しておくことである(トーマス・ハクスリー; Thomas Huxley)

上記のように成功と失敗に関しては様々な論述がある。


2. 供給業者_Suppliers(簡単な要約)
マーケターは流通業者やディーラーだけでなく、供給業者にも関心を寄せるべきである。その三つの理由を以下にまとめる。

1) 自社の購買部門が質の高い仕入れを行なっているかどうかを確認し、標的顧客に約束通りの品質を提供するため。
2) 信頼の置けない供給業者は製造の遅れの原因となることがあり、その結果、顧客への納期も守れないケースも出てくるため。
3) 優れた供給業者は、製品供給という枠を超えて、付加価値的なアイデアを提供してくれるため。

購買部門の担当者には、最適な供給業者を選ぶ義務がある。とはいえ、彼らの評価が調達コストをいかに削減したかという基準でなされているのもまた事実であり、注意が必要である。追い詰められた業者が他のメーカーと取引を始めれば、仕入れが不足したり、自社の革新的な技術が他社に知られたりといった事態になることもありうる。
今日では多くの業者が、供給業者の数を減らす方向で動いており、これは優れた供給業者1社と取引した方が、並の供給業者3社と取引する方がましだという発想である。
また、自社が供給する立場であれば、厳しい要求を突きつけてくる顧客に感謝すべきである。手強い顧客の要求水準を満たすことができれば、さほど厳しいことを言ってこない顧客はわけなく満足させることができる。


3. 標的市場_Target Market(簡単な要約)
企業がマス市場を相手にする時代は終わろうとしている。というのもマスマーケティングを実施するには平均的な顧客像を描かなければならないが、この平均というのが曲者で、例えば片足を熱湯、片足を氷水に入れている人は平均すれば快適ということになってしまう。
いかなる企業であろうとも、市場で最高の位置を占めることは可能である。市場を選ぶにあたっては、金のない人間に売るより金のある人間に売る方が簡単であり、バイヤーではなくユーザーに売る方が望ましい。

4. テクノロジー_Technology(簡単な要約)
新たに誕生したテクノロジーは、いずれも「創造的破壊」の原動力となる。企業に引導を渡すのは、現在の競合他社よりもむしろ新たなテクノロジーであることが多い。馬車メーカーは自分たちよりも優れた馬車メーカーに敗れたのではなく、自動車に敗れたのである。
このように新たなテクノロジーは、社会的関係やライフスタイルにも変化をもたらす。また、新たなテクノロジーを導入することで、そのコストをはるかに上回る生産性向上を望める場合もある。
一方で、旧態依然の組織に新しいテクノロジーを導入するのは避けるべきで、そのようなことをすれば前より金のかかる旧態依然とした組織になってしまう。


5. テレマーケティングとコールセンター_Telemarketing and Call Centers(簡単な要約)
顧客の意見や話を聞くために電話を活用するという仕組みは、運用さえ間違えなければ企業の大きな資産となり売る。一人一人の顧客について理解が深まるだけではなく、会話を通じて良いサービスを受けられたという印象を顧客に与えることができるからである。テレマーケターは電話をうまく活用することで、顧客から新しいアイデアを得たり、市場調査のためのアンケートを実施したりすることができる。
企業は先を争うように電話サービスを自動化し、オペレーターとのやり取りを排除する方向で動いてきた。このことにより、電子音声による自動化や電話が繋がらないなどの事象が生じてしまうようになった。だが、本来は電話の処理スピード以上と同様に顧客満足度も重視しなくてはならない。
これからの照れマーケティングは、企業側が一方的にセールストークを仕掛けるやり方から、顧客との対話を重視するやり方へと方向転換しなくてはならない。つまり単なる勧誘電話を関係構築のための電話へ、あるいは見込み客のことを何も知らずにかける電話を的を絞った意味のあるオファーへと変える必要があるということである。


6. 感想・まとめ
#20では成功と失敗(Success and Failure)、供給業者(Suppliers)、標的市場(Target Market)、テクノロジー(Technology)、テレマーケティングとコールセンター(Telemarketing and Call Centers)について取り扱いました。今回は目立って印象深いものはありませんでしたが、どれも考え方として広く参考にできればと思いました。
#21ではマーケティングの考え方と実践のトレンド以降についてまとめていきます。

【入門者向け】Pythonにおけるモジュールの実装①|Python入門 #9

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#1ではPythonを用いたFizzBuzzのコーディングについてまとめました。

入門者の方に読んでみていただいたところ、少し難しかったようなので、#2以降では#1で触れた基本文法をそれぞれもう少し丁寧に解説を行なっていきます。基本的には下記のPythonのドキュメントのチュートリアルなどを元にして解説していきます。

Python チュートリアル — Python 3.7.4 ドキュメント

#2ではPythonにおける四則演算・文字列について、#3ではリスト・タプル・辞書について、#4ではPythonの制御構文について、#5ではPythonの入出力に関して、#6ではPythonの関数の実装について、#7ではPythonにおけるクラスの実装について、#8ではPythonにおけるクラスの継承とオブジェクト指向について取り扱いました。

【入門者向け】Pythonの基礎文法① 四則演算・文字列|Python入門 #2 - lib-arts’s diary

【入門者向け】Pythonの基礎文法② リスト・タプル・辞書|Python入門 #3 - lib-arts’s diary

【入門者向け】Pythonの基礎文法③ 制御構文(if、for)|Python入門 #4 - lib-arts’s diary

【入門者向け】Pythonの入出力の実装|Python入門 #5 - lib-arts’s diary

【入門者向け】Pythonの関数の実装|Python入門 #6 - lib-arts’s diary

【入門者向け】クラスの概要とPythonにおける実装|Python入門 #7 - lib-arts’s diary

https://lib-arts.hatenablog.com/entry/entrance_python8
#9ではSection6をベースにPythonにおけるモジュールの概要の理解と簡単な実装について取り扱います。

6. モジュール — Python 3.7.4 ドキュメント

以下目次になります。
1. Pythonのモジュールの概要の把握
2. Pythonにおけるモジュールの実装(Section6)
3. まとめ


1. Pythonのモジュールの概要の把握
1節ではPythonのモジュールの概要の把握ができればと思います。

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6. モジュール — Python 3.7.4 ドキュメント
モジュールの説明としては、ドキュメントのチュートリアルのSection6の冒頭がわかりやすいので、上記キャプチャを元に確認していきます。
モジュールは「スクリプトをいくつかのファイルに分割した際に定義をコピーすることなく個々のプログラムで使えるようにしたもの」と把握しておくと良さそうです。読み込みにあたってはプログラムを動かす際によく出てくるimport文を用いて行うとあります。とにかく目的としては外部ファイルで実装した機能を気軽に使い回したい際に用いるのがモジュールであると把握しておくと良さそうです。
モジュールについてはだいたい概要がつかめたので次に2節で実際に実装を元に確認していきます。

 

2. Pythonにおけるモジュールの実装(Section6)
2節ではモジュールの実装例を確認していきます。

def fib(n): # write Fibonacci series up to n
    a, b = 0, 1
    while a < n:
        print(a, end=' ')
        a, b = b, a+b
    print()

def fib2(n): # return Fibonacci series up to n
    result = []
    a, b = 0, 1
    while a < n:
        result.append(a)
        a, b = b, a+b
    return result

まずは上記を記述したファイルをfibo.pyとし、作業ディレクトリに保存しましょう。

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Jupyterで実行している場合は上記のようになっていれば良いです。この際に下記を実行します。

import fibo

fibo.fib(1000)
print(fibo.fib2(100))
fibo.__name__

実行結果は下記のようになります。

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fibo.pyの実装を確認すると、関数fibはフィボナッチ数をprintしているのに対し、関数fib2はappendを用いてリストに追加し、返り値としてリスト形式のデータを返しています。

fib = fibo.fib
fib(500)

print(type(fib))

また、関数を度々使う際は上記のように代入を行うことができます。実行結果に関しては以下になります。

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"fib=fibo.fib"のように関数を代入を行うことで、fibo.fibをfibで呼び出せるようになります。また、type関数でfibを確認すると、<class 'function'>となっており、function(関数)型のクラス(オブジェクト)になっていることが確認できます。
ここまででモジュールの実装についての基本的なところはつかめたので2節はここまでとします。


3. まとめ
#9ではPythonのモジュールの実装に関して簡単な概要について掴みました。
#10ではモジュールに関してより詳しく確認していければと思います。

販売、サービス、スポンサーシップ、戦略|『コトラーのマーケティング・コンセプト』読解メモ #19

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課題本として、「コトラーマーケティング・コンセプト」を設定したので読み進めていきます。

コトラーのマーケティング・コンセプト | 東洋経済STORE

#1ではまえがきと序文について、#2以降では3~4トピックずつ取り扱っています。

#18では小売業者とベンダー(Retailers and Vendors)、セールス・フォース(Sales Force)、販売促進(Sales Promotion)、市場細分化(Segmentation)について取り扱いました。
https://lib-arts.hatenablog.com/entry/kotler_marketing18
#19では販売(Selling)、サービス(Service)、スポンサーシップ(Sponsorship)、戦略(Strategy)について取り扱います。
以下、目次になります。
1. 販売(Selling)
2. サービス(Service)
3. スポンサーシップ(Sponsorship)
4. 戦略(Strategy)
5. 感想・まとめ

 

1. 販売_Selling(簡単な要約)
小説家のロバート・ルイス・スティーブンソン(Robert Louis Stevenson)が書いている言葉に、「人はみな何かを売って生きている」というのがある。人間が売っているのは製品、サービス、場所、アイデア、情報、自分自身のいずれかである。販売には様々なイメージがつきまとっている。
中には天才的な販売員もおり、イヌイットに冷蔵庫、ハワイ人に毛皮のコート、アラブ人に砂を売り利益を出した上にその後安値で買い戻す。優秀な販売員は2つの耳と1つの口を持って生まれてきた意味を忘れず、自分が話す分の2倍相手の話を聞くように常に心がけている。
販売員として成功したいのであれば、最初に売り込むべき相手はまず自分自身であることを理解しなければならない。まずなすべきことは自分の内なる購買者と渡りをつけることで、「モノを売るのではなく、顧客の発展を支援する」をモットーとして掲げるべきである。今新たに求められているのは、顧客の金儲けや節約を支援することを通じて、「価値を創造する」ことのできる販売員である。説得型の販売からコンサルティング型の販売への切り替えが必要となってきている。


2. サービス_Service(簡単な要約)
コモディティ化する製品がますます増えつつある今日、サービスの質は他社との差別化を図り、卓越性を示す上で最も有力な応訴と言える。優れたサービスを提供することは、顧客志向を実践する際の核心をなすものである。サービスのために計画された事業は成功する確率が高く、利益のために計画された事業は失敗する確率が高い。
1日自社の顧客になることでサービスの質をチェックすることができる。顧客になりすまして電話を入れ、社員に何か質問を行い、自社の製品を購入してみる。この際に社員が笑顔を見せているかどうかも重要なチェック項目である。


3. スポンサーシップ_Sponsorship(簡単な要約)
企業は様々な団体から、イベントや活動、社会運動のスポンサーになって欲しいという依頼をたえず受けている。同時に企業は社名を一般の人々にアピールできる場所を積極的に探している。企業は相当な金額を支払ってでも、ビル、大学の校舎、競技場といった物的施設に社名を掲げ、たえず人々の目に触れさせようとする。
企業は有意義な主義主張を掲げた社会運動のスポンサーとなることもある。多くの人々が正しいと信じる主義主張を後押しするこの種の企業活動は、コーズリレーテッドと呼ばれ、企業の名声、ブランド認知、顧客ロイヤルティ、売上などの強化・向上、さらにはマスコミによる好意的な報道などが期待できる。
スポンサーシップ関連の支出は費用にもなるし、投資にもなる。売上や企業資産の増加に寄与しなかった場合は費用となる。スポンサーシップを投資に変えたいのであれば、何のスポンサーになるかを慎重に判断する必要がある。スポンサーになるかどうかを検討する際には、それが自社の標的市場や製品・サービスにふさわしく、それらと関連性を有するかどうかを確認すべきである。スポンサーとなるにあたり、何を達成したいかを必ず明確にしておかねばならない。投入した資金が人々の意識やイメージ、顧客ロイヤルティに肯定的に作用し、なんらかの形で売上増に結びつくこともあるため、売上がどれだけ伸びればコストを正当化できるのかを自問しておく必要がある。


4. 戦略_Strategy(簡単な要約)
戦略は特徴的で首尾一貫した価値提案を組み上げ、標的市場に送り届ける際に用いる接着剤のようなものである。「競合他社に対して独自の優位性を持たない企業は存在する理由がない」と警告されたりなどもしている。自社の戦略が競合他社と同じものだとしたら、戦略を持っていないことになる。
ハーバード大学マイケル・ポーター(Michael Porter)はオペレーションの卓越性と戦略的ポジショニングを明確に区別している。企業が本当に必要としているのは、他者と違うレースを走ることである。特定の顧客グループや特定のニーズを標的とし、独特のベネフィットを提供している企業は、戦略を持っていると言える。
企業は以下の三つの条件を満たした時、独自の戦略を持ったと言える。

1) 標的市場と標的ニーズを定義した(価値標的; Value Target)
2) 当該市場に向けた、明確な特徴を持つ魅力的な価値提案を策定した(価値提案; Value Proposition)
3) 価値提案の内容を標的市場に提供するために、独自の供給ネットワークを整備した(価値ネットワーク; Value Network)

独自の戦略を打ち立てた企業は、コスト削減や値上げ、あるいはその両方を同時に実現することができる。競合他社が次第に似通い、価格競争を余儀なくされていくのに対し、戦略的ポジショニングを確立した企業は独自路線を歩み、流血戦を回避していくのである。
戦略を策定するにあたって最も有効なルールは、標的市場が何を好み、何を欲しがっているかを調べること、そして標的市場が何を嫌い、何を不要だと考えているかを調べることである。
「戦略は象牙の塔の無菌室の中ではなく、市場という泥土の中から芽生えて来なければならない」。戦略は特徴、デザイン、品質、サービス、コストを統合した独自性のあるものでなければならない。競合他社が長い年月と莫大なコストを投じなければ反撃できないような、優位性の高い市場ポジションを確保できなければ他社のうらやむ戦略を立てられたことになる。


5. 感想・まとめ
#19では販売(Selling)、サービス(Service)、スポンサーシップ(Sponsorship)、戦略(Strategy)について取り扱いました。興味深かったのは戦略に関してです。この辺はポーターの競争戦略などでも取り扱われており、改めて確認すると興味深い内容でした。また、スポンサーシップの記述はこれまであまり意識したことのない点だったので、こちらも非常に参考になりました。
#20では「成功と失敗」以降について取り扱って行きます。

【入門者向け】Pythonにおけるクラスの継承とオブジェクト指向|Python入門 #8

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#1ではPythonを用いたFizzBuzzのコーディングについてまとめました。

入門者の方に読んでみていただいたところ、少し難しかったようなので、#2以降では#1で触れた基本文法をそれぞれもう少し丁寧に解説を行なっていきます。基本的には下記のPythonのドキュメントのチュートリアルなどを元にして解説していきます。

Python チュートリアル — Python 3.7.4 ドキュメント

#2ではPythonにおける四則演算・文字列について、#3ではリスト・タプル・辞書について、#4ではPythonの制御構文について、#5ではPythonの入出力に関して、#6ではPythonの関数の実装について、#7ではPythonにおけるクラスの実装について取り扱いました。

【入門者向け】Pythonの基礎文法① 四則演算・文字列|Python入門 #2 - lib-arts’s diary

【入門者向け】Pythonの基礎文法② リスト・タプル・辞書|Python入門 #3 - lib-arts’s diary

【入門者向け】Pythonの基礎文法③ 制御構文(if、for)|Python入門 #4 - lib-arts’s diary

【入門者向け】Pythonの入出力の実装|Python入門 #5 - lib-arts’s diary

【入門者向け】Pythonの関数の実装|Python入門 #6 - lib-arts’s diary

【入門者向け】クラスの概要とPythonにおける実装|Python入門 #7 - lib-arts’s diary

#8ではSection9.5をベースにPythonにおけるクラスの継承とオブジェクト指向について取り扱います。

9. クラス — Python 3.7.4 ドキュメント

以下目次になります。
1. Pythonにおけるクラスの継承(9.5)
2. オブジェクト指向入門
3. まとめ


1. Pythonにおけるクラスの継承(9.5)
1節ではSection9.5の内容をベースにPythonのクラス継承についてまとめていきます。

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上記に『継承の概念をサポートしない言語機能は "クラス" と呼ぶに値しません』と述べられているように、クラスを考える際に継承という考え方は非常に重要です。まずクラスの継承とは何かですが、よく例としてあがるのは動物(Animal)と犬(Dog)、猫(Cat)の例などです。犬と猫は種別としては違いますが、動物(Animal)として共通点があります。したがって、共通の特徴を動物(Animal)として定義した上で犬(Dog)と猫(Cat)を実装した方が体系的な実装が可能になり整理がしやすくなります。

このように継承によって、同じコードの記述を減らすことができます。
抽象的な話が多くなるとわかりにくいので、早速実装を確認していきます。

class Number:
    def __init__(self, realpart, imagpart):
        self.n = int(realpart)
        self.r = int(realpart)
        self.i = 0

class Complex(Number):
    def __init__(self, realpart, imagpart):
        super(Complex, self).__init__(realpart, imagpart)
        self.r = realpart
        self.i = imagpart

x = Number(3.0, -4.5)
print(x.n)
print(x.r)
print(x.i)

x = Complex(3.0, -4.5)
print(x.n)
print(x.r)
print(x.i)

実行結果は下記になります。

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この際に複素数は整数を拡張して実装を行っています。superについては親クラスのコンストラクタ(__init__メソッド)を実行するために用いています。今回程度の実装ではまだありがたみまではわからないかもしれないですが、self.nの実装を子クラスである複素数では行わないで済んでいます。


2. オブジェクト指向入門
2節ではオブジェクト指向の簡単な概要について説明します。Pythonのドキュメント自体はオブジェクト指向にはあまり触れられていませんが、クラスやクラスの継承が出てきたら、オブジェクト指向も関連で理解しておくと良いので取り扱うものとします。
まずオブジェクト指向の概要について確認します。

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オブジェクト指向 - Wikipedia
上記はWikipediaオブジェクト指向の説明です。オブジェクト指向(object oriented)はソフトウェア工学理論の一つであり、ソフトウェア設計とプログラム記述の際に用いられる考え方とされています。このオブジェクト指向をプログラムに用いることをオブジェクト指向プログラミング(OOP; Object-Oriented Programming)と言ったりしています。


3. まとめ
#8ではPythonにおけるクラスの継承と、オブジェクト指向の簡単な入門について取り扱いました。
#9、#10では#11以降でPythonの便利なライブラリを見ていくにあたって、ドキュメントのSection6のモジュールについて簡単に取り扱っておければと思います。

6. モジュール — Python 3.7.4 ドキュメント

小売業者とベンダー、セールス・フォース、販売促進、市場細分化|『コトラーのマーケティング・コンセプト』読解メモ #18

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課題本として、「コトラーマーケティング・コンセプト」を設定したので読み進めていきます。

コトラーのマーケティング・コンセプト | 東洋経済STORE

#1ではまえがきと序文について、#2以降では3~4トピックずつ取り扱っています。

#17ではパブリック・リレーションズ(Public Relations)、品質(Quality)、景気後退期のマーケティング(Recession Marketing)、リレーションシップ・マーケティング(Relationship Marketing)について取り扱いました。
https://lib-arts.hatenablog.com/entry/kotler_marketing17
#18では小売業者とベンダー(Retailers and Vendors)、セールス・フォース(Sales Force)、販売促進(Sales Promotion)、市場細分化(Segmentation)について取り扱います。
以下、目次になります。
1. 小売業者とベンダー(Retailers and Vendors)
2. セールス・フォース(Sales Force)
3. 販売促進(Sales Promotion)
4. 市場細分化(Segmentation)
5. 感想・まとめ

 

1. 小売業者とベンダー_Retailers and Vendors(簡単な要約)
小売業者が弱小だった頃は、製造業者が大きな力を発揮していた。最も強い力を持った製造業者は契約内容や自社製品の棚スペースを一方的に決めることもできた。だが、巨大小売業者(ハイパーマーケット、スーパーストア、カテゴリー・キラー)の登場が、両者の力関係を永久に変えることになった。小売業者は製造業者ではなく顧客の代理人となった。
また、巨大小売業者は製品を大量に発注するため、複数の製造業者を競わせ、自社に最も有利な条件を提示させることもできるようになった。巨大小売業者の勢いを止められるのは競争を仕掛けてくる他の巨大小売業者だけになった。
かつて小売業を成功に導く3つのポイントと言えば、「ロケーション、ロケーション、ロケーション」であったが、インターネットの登場で物理的なロケーションの重要性は低下した。何百万人もの人々がアマゾン・ドットコムで本を購入しているが、誰もその所在地を知らない。
今日の小売業者が、過酷な市場環境の中で生き延びるためには、新たな手法を取り入れることが必要で、以下の四つに取り組むべきである。

1) 今以上に時間をかけて顧客を理解する
2) 資金を投じて、買い物を単なる雑用から特別な経験に変える
3) もっと積極的にプライベート・ブランディングを実施する
4) ウェブサイトを立ち上げ、より多くの情報を発信するとともに、顧客にコンタクトや対話の機会を提供する


2. セールス・フォース_Sales Force(簡単な要約)
どの国も就労者の数多くが販売業に従事しているが、人的販売の高コスト構造に加え、インターネットをはじめとする新たなダイレクト・マーケティングの手法の登場で、セールス・フォースの規模と役割を見直す企業が増えている。
販売員の報酬を決定する際には次のことを念頭に置く必要がある。それは、低賃金の販売員はかえって割高であり、高賃金の販売員の方がかえって安くつくということである。トップクラスの販売員が、平均的な販売員の5倍の売り上げを記録することがよくあるが、5倍も給料をもらっていることはないからである。
一方で、収益性など無視して、とにかく売れれば良いと考える販売員には気をつけた方が良い。販売員の報酬は売り上げに連動させず、利益と連動させることが重要である。
販売におけるマーケティングの役割は、以下のような方法でセールス・フォースを支援することである。

・広告を出すとともに、新規顧客開拓のためにリストを購入する
・販売員が訪問先を絞り込めるよう、最も有望な見込み客のプロファイルを作成する
・主要顧客の意思決定権者のために、購入した際の影響や購入すべき論理的根拠を文書化する
・競合他社の強みと弱み、他社の提供物と比較した自社製品の評価などをまとめる etc

 

3. 販売促進_Sales Promotion(簡単な要約)
販売促進とは、顧客の購買行動を将来のある時点ではなく現時点で起こさせるためのインセンティブや褒賞のことである。広告がブランドに対する市場の態度を形成するための長期的なツールであるのに対して、販売促進は購買者の行動を誘発する短期的なツールである。販売促進は広告に比べ即時的で測定可能な反応が得られるという意味で効果覿面である。
現在の広告と販売促進の比率は30対70と言われるが、かつてはこの比率が逆であった。今日の販売促進の隆盛は長期的なブランドの構築よりも現時点の売上を優先するという、企業の姿勢を反映したものである。
販売促進には小売業者向けプロモーション、消費者向けプロモーション、セールス・フォース向けプロモーションの三つがあり、それぞれへの施策は以下の通りである。

・小売業者向け
-> 値引き、広告アロワンス、ディスプレイアロワンス、無料商品提供

・消費者向け
-> クーポン、割り戻し(リベート)、値引き包装(プライスパック)、プレミアム、ご愛顧報奨、コンテスト、製品デモンストレーション、保証

・セールスフォース向け
-> 商品付きの売上コンテスト

販売促進を実施するとほとんどの場合、売上は向上する。だが、ほとんどの場合結果は赤字になる。多くの場合、販売促進が惹きつけるのは、低価格品目当てのブランドスイッチャーばかりであり、ブランドスイッチャーは、別のブランドがセールを開始すると簡単にブランドをスイッチしてしまう。販売促進によって、他社ブランドのロイヤル・カスタマーを取り込むことはあまり期待できない。したがって、ブランド間の差異がほとんどない製品市場は販売促進に最も不向きな市場である。販売促進はブランド間の差異が極めて大きい製品市場で用いた方がより効果的である。
一般論としていえば、販売促進の多用は慎むべきで、値引き、クーポン、ディール、プレミアムなどを絶え間無く提供していると、消費者のマインド内でブランドの価値が低下する恐れがある。販売促進は自社のブランドイメージにふさわしいもの、ブランドイメージを強化するもの、新たな価値をもたらすものでなければならない。

 

4. 市場細分化_Segmentation(簡単な要約)
企業がマス市場という捉え方をやめるようになったのは、比較的大きな市場セグメントを特定し始めたときからである。だんだん企業は大規模なセグメントからより狭いニッチに目を向けるようになり、「35歳から50歳の家庭の主婦」というざっくりとしたセグメントから「25歳から35歳の知的職業に従事するアフリカ系アメリカ人女性」という狭いセグメントに目を向けるようになった。今日でもまだ市場細分化が不足しているように思われる。
セグメントを特定する方法には下記の3つある。

1) デモグラフィック・グループ
-> 年齢や性別などを用いてグルーピングを行う。集団をセグメントに分割するというよりもセクター(区画)に分割するという意味合いが強い。

2) ニーズ・グループ
-> 「食料品の購入に費やす時間を減らしたい女性」のように特定の共通のニーズを持つかどうかでグルーピングを行う。ニーズがはっきりしているため、様々なソリューションでニーズを満たすことが可能である。

3) 行動グループ
-> 実際の行動に基づいてグルーピングを行う。グループはニーズでなく、実際の行動に基づいて定義されており、グループに共通する特性を調べるため、さらなる分析も可能である。

セグメントを明確に特定できたら次の課題は当該セグメントは既存の組織で管理すべきか、それとも別事業を立ち上げるに値するものなのかを判断することである。後者に該当するセグメントを戦略セグメントと読んでいる。


5. 感想・まとめ
#18では小売業者とベンダー(Retailers and Vendors)、セールス・フォース(Sales Force)、販売促進(Sales Promotion)、市場細分化(Segmentation)について取り扱いました。興味深かったのは小売業者とベンダーの力関係の逆転と、販売促進を利益に結びつけるのが難しいということなどです。また、実際のビジネスにおいては市場細分化(セグメンテーション)の考え方は使いこなしたいところなので、3つの方法については時折振り返りたいと思いました。
#19では販売以降を取り扱います。